2013年 01月 09日 ( 1 )

インバネス(トンビ)コートで粋に~男着物・初心者の事始め(4)~

男着物・初心者の事始めの4回目。今回は和装用のコート、インバネス(トンビ)です。

(1) インバネス(トンビ)コート  (SONY Cyber-shot RX100、以下同じです。)
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(2) インバネスコートは、スコットランドのインバネス地方が発祥といわれるケープのついたコート。
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(3) このケープ部分は手を広げると羽が広がっているように見えるからか、日本では「トンビ」と言われます。
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(4) インバネスはシャーロック・ホームズ愛用のコートで知られるものですが、明治時代に日本に伝えられると、日本では袖口が大きく開いていて着物の角袖が邪魔にならずに自然に着られることから和装用のコートとして人気となり、今日まで和装用コート(トンビ)として定着したものです。
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(袖口が大きく開いているので、ここから着物の角袖が無理なく出る。)
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(5) 男着物というと、まずその事始めには、お正月がいちばん選ばれるのではないかと思います。私も、きっかけは父がお正月を常に着物で迎えていたのを子どもの時に見ていたことです。呉服店では、秋口に入ってから着物を見に行くと、「お正月用ですか?」と聞かれます。着物の誂えは注文してから40~50日程度は見ないといけないので、12月に受け取ろうと思ったら余裕を持つなら10月に発注しておきたいところ。なので呉服店では秋に入ると「お正月に着たいのですか?」と聞くのですが、逆に言えば、着物を着たい時、というシーンのいの一番に上がるのがやはりお正月だ、という事なのだと思います。1月1日といえば冬です。着物の場合、羽織、着物、長襦袢、肌襦袢と4枚重ね着をしているのですが、それでも寒い冬に着物だけでは無理です。それでもインバネスを呉服店で見かけることは、男性専用のお店にでもいかない限り難しいことだと思います。それだけ男着物というものが、実際に着る人が少ないという現状を表しています。だって1月にコートなしでは過ごせないですから。
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(6) 私自身、このインバネスは通販で買ったのですが、昔からある呉服店や百貨店の呉服店などでは「トンビ、いいですね」と言っていただいたものの、最近の新しいチェーンの呉服店では、「それは何ですか?」「どうなっているんですか?」と店員さんに聞かれることもあったほど。それだけ目にすることが少ない存在です。
でもインバネスは便利なコートです。「お、すごいマントだね」なんて言っていただけることもありますが、何より和装にはぴったり。それでいて洋服の人の中に混じっても違和感はなく(なにしろ元々洋服ですので)、日本の冬、着物男性(着物男子)の強い味方です。
(松戸神社にて)
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(7) トンビで粋に決めたら、松戸でのお食事は、松戸宿の時代から続く「関やど」の天丼がイイと思います。西洋から伝来した技法と和のどんぶりが馴染んだ天丼は、西洋生まれで和服にも合うトンビにぴったりのような気もします。
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2013.1.9 
SONY Cyber-shot RX100
by bjiman | 2013-01-09 01:14 | 和装・着物生活・伝統的工芸品 | Comments(0)