空気のように溶け込んでいくアナハイムサウンドと渡辺貞夫さん~MorningIsland~

中学高校時代、放送機器にのめり込んでいきました。オーディオ機器の中でもとりわけ録音機器やスピーカーなどに凝って、アンプは自作、スピーカーも自作という風になっていきました。そんな時代、スピーカーで最も好きなメーカーはアルテックでした。
アメリカのトーキー文化を彩ったWE(ウエスタン・エレクトリック)の流れを汲んだALTEC(オールテクニカルの略だったと思いますが)が出来て、そこのエンジニアに新進気鋭のジェームス・B・ランシングさんが加入してくる、ランシングさんは、自分の会社、ランシングコーポレ-ションを順調に経営することが出来ずにアルテックに迎えられる形で吸収されるのですが、その製品は優れていたので、ALTECを代表するスピーカー・ユニット38cmウーファーの515のラベルにはそんな彼の優れたエンジニアリングを尊重するかのように「ランシングコーポレーション」と書かれたままだったんです。ALTECで発売しているのに。そんな米国の企業文化にも驚きますが、そのアルテックで、あまりにも有名な604シリーズモニターを展開したランシングさんが、家庭用のシステムを作りたいと行って独立したのが有名なJBL社の設立経緯。そんな歴史を本で一生懸命読んでいました。
(そしてその時代にランシングさんが開発したユニットが今、我が家で鳴っている30cmフルレンジユニット2130の元であるD131なんです。)私にとっては、この過渡期、移行期が最も好きで、ランシングさんが設計したアルテックのユニットは好きなものばかりでした。そんなアルテックの特徴は2Wayでシステムを作ることで、JBLのように3Wayや4Wayはやりませんでしたし、私もそこに惹かれていました。ワイドレンジのタンジェリン・ドライバーを用いて高域を拡大した802-8Gを使った2WayシステムだったMODEL19というシステムが大好きで、秋葉原の専門店に通っては聴かせてもらっていました。アメリカといっても実際に行ったこともないカリフォルニア・アナハイムの空気感を想像して体感しようと思っていました。
ある時、MODEL19から流れてきた曲、渡辺貞夫さんの「MorningIsland」の軽やかな透明感あるフルートが空気に溶けていくように、まるで目の前の空気のようにそこにあったサウンドを忘れることはできません。あれが、私にとっての最高のオーディオ・サウンドでした。



by bjiman | 2017-12-15 00:20 | 青春の詩 | Comments(0)
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