新年行事の2回目。レクサスでのお茶会。私がHSを購入したレクサス松飛台店では、毎年、新年のこの時期にお茶会を開いています。 新年のお茶会というと、お稽古をされている場合は10日頃に行う「初釜」になりますが、私のレクサスのディーラーではイベントのお茶会ということで立礼(りゅうれい)式のお茶会です。 お庭で催されるお茶会のとき、赤い和傘の柄のところに季節を表すお花があしらわれます。新年ですので椿が添えられていました。 立礼式のお茶会では、このような台が出て、お茶を入れていただけます。 具体的には、こんな感じです。 私は、市の開催するお茶の体験教室程度しか経験していませんが、それでも定期的にお茶に触れる機会を作っていくことがとても大切だと思っています。 そして、日本の高級車であるレクサスが、ディーラー単位でこのように毎年、ユーザーとお茶会を開くというのはとても理にかなっていると思います。 なぜならば、お茶には、日本ならではの様式美、礼、静寂という間、言葉でいうと軽く感じられますが、「おもてなし」の心。精神の鍛錬、、、色々な和の要素が詰まっています。レクサスは日本のブランドです。どこかに、外国人から見ても「日本」が感じられるブランドを作っていく必要があり、「ブランド」というのは、メーカーと、メーカーが送り出す車を使うユーザーの双方が作り上げていくものです。年に一度、ユーザーと、ディーラーがクルマを囲んで茶の湯に親しむ。それが、レクサスというブランドを作っていくと私は信じています。 (素敵な水差し) お茶会ではまずお菓子が出されます。このお菓子、何て美しいのだろうと思います。 このお菓子は、皇后さまが松戸の戸定邸(旧徳川昭武邸宅)にご訪問された際、地元で100年続く和菓子司、栄泉堂 岡松さんが創作した「牡丹」というお菓子です。 牡丹のお花をかたどったほんのり淡いピンク色の花弁を開くと、上品に小豆餡が見える、そのたおやかな美。それが日本の美だと私は思います。 お茶のお道具にはいろいろな知識が必要になりますが、お茶碗にも色々あります。お茶の世界ではお茶椀には、「一楽・二萩・三唐津」といって、まずは楽焼(京都)、次に萩焼(山口県萩市)、3位が唐津焼(佐賀県唐津市)とされているようです。この日のお茶会にはもちろんこの3つが、順番に供されました。私に供していただいたこのお茶碗は唐津です。 お茶のお道具のお話しなど、昔はただ形式的な、よく分からないのにウンチクを並べ立てるようなものなのかと思っていましたが、年を経てみればそんな訳もなく、いいものがきちんと見分けられる教養を持つことは、ひいては相手が自分をもてなしてくれた時にそれが分かるかどうかの違いにもなると思いました。ご馳走という字の意味を考えたとき、お客様をもてなすために方々走り回って食材を集めてくる、という意味からくるその言葉が、日本の美意識を表しているように思うのです。相手を思って良い物を揃える。お茶のお道具もまたそうなのでしょう。そうしておもてなしをしていただいた時に、その気持ちが分かる人でありたい、とは思うのですが、こればかりは生涯をかけた修行なのでしょう。 私は日本の美というのは、どこか女性的なたおやかさ、しなやかさの中の可憐な美という気がします。着物にせよ器にせよ、こうしたお庭の造形にいたるまで、どこか日本の美は、淡いピンクや朱をきれいに配した美を備え、そして一見ただのオヤジに見えるような職人さんが、仕事となると見事な、上品で繊細な美を奏でる。 レクサスという「日本の高級車」に求められるのは、こうした庭の造形にまで見られるような、整然としたなかにもコケティッシュな可憐さを備えた美を表すことだと私は思いますし、実際、日本の高級車であるクラウンやレクサスの開発陣は、どこかでこういう勉強をされていると思います。(例えば、このインタビューを読むとクラウンの開発エンジニアが、いろんなものを見て勉強している、特に日本の美を勉強している、有田焼の柿右衛門さんにお会いしてお話しを伺っていると書かれています。) 例えばこのレクサス・IS。 深い青が随分美しい色だなぁと感心しました。 日本の近代において、特に藍の青は大切な色です。ジャパンブルーとも言われる青は、着物を染める藍だったり、食器を飾る呉州(ごす)の青=コバルトブルーだったりします。青の美意識は、日本の美意識にもつながります。イタリアが大切に思うアズーリともまた違う色です。だからフェラーリのイメージはイタリアンレッドではあっても、アズーリのフェラーリもまたイメージ色ではあるんですよね。国にとって色って、とっても大切です。自動車ジャーナリストはヨーロッパヨーロッパってドイツの方ばっかり見ていうけど、実はそうやって拘っていくと、色ひとつとってもブランド価値を作っていく上で大切だって気づく筈なんです。 最近レクサスは、RCの頃からこのオレンジをイメージカラーにしてきています。NXのようなちょっと背の高いクルマに塗ると一段とイメージが強く見えるこの色。考えてみれば柿の色です。日本の果実、日本の甘みというのは柿がその原点だと昔読んだことがありますが、そんな柿の色を持ってくる辺り、レクサスが何か意図しているのかな、と思います。そしてそんな想像をするユーザーを育てることがレクサスブランドを広めていくのでしょう。イリュージョンも含めて。 このCTの少し薄い青もいい。 ISに戻ります。ISは、マイナーチェンジをしてからずいぶんインテリアの見せ方がうまくなったと感じました。 特に、GS-Fから取り入れられた「名栗調パネル」は美しい飾りです。本来の名栗(なぐり)の意味は、角材や板にノミなどで削り跡を付けて防虫効果も持たせる日本古来の加工技術のことですが、それをアルミ加工のパネルに応用したものがこの名栗調パネルです。本来は六角形のようですが、四角形の定型的なパターンに簡略化されています。でも、なかなかにいい感じです。 名栗という加工技術を有名にしたのは、千利休が茶室に用いたことがきっかけで、桂離宮などの数寄屋建築に使われるようになったのだとか。 レクサスの開発陣の心の中に、どこか、日本ならではの茶道の精神が宿っている、それを気にしているからこそ、こういう発想が出て来るのだと思います。 そして、レクサスなんて、トヨタ車の内装を豪華にしただけだ、みたいな批判をするジャーナリズムには、こうした心が見られません。興味がないのでしょう。 でも、これからのグローバル社会の中にあって、また、逆に国らしさを振り返ってみたとしても、ただ世界の標準に合わせるだけでは何も自分らしさがなくなってしまう、空っぽになってしまうでしょう。レクサスを批判するジャーナリズムは、欧州車と比べて走りで劣っている、欧州で評価されてないというけれど、欧州人が日本車に日本らしさを感じるとしたら、それは何でしょう。アウトバーンでの正確無比な高速性能でしょうか。それはドイツ車のものなのです。欧州人がレクサスを見て、あぁ日本らしいと思うとしたら、もっと違うことの筈だ、と私は思います。例えばこの名栗調パネルがそれを表していると思います。
by bjiman
| 2017-01-19 02:46
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