進め!プリウスPHV 自動車ジャーナリズムの不当な批判を相手にするな!

新型プリウスの販売が好調に推移しています。
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そしてこの冬、いよいよ次世代エコカーの本命ともいえるPHV(プラグインハイブリッド車)が投入される見込みです。
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私は、かねてより、次世代エコカーの本命は、現在のハイブリッド車のメリットはそのまま、電池でも走れる範囲が広がるPHV車が、現実的な当面の解だと考えていましたし、このブログでもそう書いてきました。電池で駆動するEV車は、充電が不可欠で、町中で仮に充電量が不足してきた場合、ガソリン車でいうエンストを起こす可能性がありますし、運良くEVスタンドに駆け込むことが出来ても、長い充電時間を要します。一方、今のガソリンスタンドなどのインフラを考えると、ガソリン車では10分も駐まっていればガソリン満タンにして精算まで済ませることができるので、滞留時間の長いEV車ではその点が欠点になり、それだけを考えるなら、FCV(燃料電池自動車)のように、3分程度でフルチャージできて600kmくらい走れるメリットの方が大きいように思います。しかし、FCVの普及にはまだ時間が掛かりますから、そうなると、電池で充電して走れる距離が長くなり、かつガソリンでも走れるPHVが、当面の次世代車の本命になるというのは、普通に考えれば誰でもが思いつくことではないかと思います。しかも、プリウスPHVは、旧型プリウスの世代から既にアメリカでも日本でも発売され、実際に路上を走行していますから、より現実的な近未来と言えると思います。
(旧型プリウスPHV)
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ではEVに可能性はないのかと言えばそんなことはなく、携帯電話やスマホで、既に日常的に充電したものを使っている私たち消費者が、こうした「充電するクルマ」に馴染むことにそれほど違和感があるとは思えません。EVは自宅で充電可能ですから、一戸建てのユーザーであれば充電設備を整えれば自宅で充電でき、日常的なクルマの使用範囲が50km程度の生活圏ですむならば(しかもそういう人は多いはずです。)、EV車の方がコストが安く、メリットがあると思います。トヨタは最近、EV車のプロジェクトチームを発足したとのニュースがありましたが、こうしたごく現実的な考え方をすれば、トヨタの選択も当然だと思います。
つまり、次世代車は、今の軽自動車やコンパクトカーではEVが多く、中型車以上の距離を走る車ではPHVが多くなるのではないかと思うのです。
さきほど戸建てではEVでも問題はない、と書きましたが、逆に言えば、マンションなどの集合住宅では、EVの充電設備が急には普及できないでしょうから、その意味でもHVからPHVへという需要が当面は多くなるだろうと思います。
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今度のプリウスPHVは、フル充電で60km走れるそうです。今のプリウスPHVが20km程度ですから、これは大きな飛躍。40km~50kmの範囲を電池だけで走れるのであれば、例えば私の住んでいる松戸市の場合であれば、柏の温泉施設に行って帰ってくるといった範囲では、ガソリンは消費しないということになります。Co2の排出を考えれば大きな進歩だと言えるでしょう。
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電気リッチなPHVと今のHVの違いは、バッテリーの進化にあります。トヨタのHVは、私のレクサスHSも含め、ニッケル電池を使ってきました。PHVはリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は、既にPCやスマホで、広く普及していますが、発熱や発火事故などもあり、まだまだ技術的にはニッケル電池よりも課題の多い電池でしょう。その分がコストアップの要因になりますから、トヨタでは、ニッケルからリチウムイオン電池への展開を慎重にしてきました。今度のプリウスHVでリチウムイオン電池車を投入しましたが、ニッケル版とリチウム版の両方を出すという慎重さです。

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今年の夏、Web記事で、著名な自動車評論家の舘内端氏が、EVとPHVを集めたイベントで、集まったクルマが欧州車ばかりだったことを例示して、「日本車の危機、次世代車で圧倒的に敗北」と書いたことに、私は著者とは逆の意味で非常に感慨深いものがありました。
そこに集まった欧州車、アウディ、VW、ポルシェ、BMW、メルセデスといった一流の欧州車達が揃いもそろってPHVを投入してきた、つまり、ドイツ車は、ハイブリッド車を「次世代車である」と認識しているということです。ハイブリッド車の歴史は、プリウスが開拓してきた、ということに異論を唱える者はいないと思います。
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そして、1997年に初代プリウスが登場して以来、欧州車のエンジニア、そして日本のジャーナリズムは、プリウスに、そしてハイブリッドに何と言ってきたか忘れるわけにはいかないでしょう。欧州ではクリーンディーゼルがエコカーの主力ですから、欧州車のエンジニアは、必ずしもハイブリッドを次世代車の本命とは見ていなかったと思います。私が当時読んだ雑誌でも、ドイツ車のエンジニアはハイブリッド車の効果は限定的なもの、という風にコメントしているものを読んだことがあります。そしてその雑誌の編集後記では、編集者が、プリウスよりもドイツ車の名前を挙げて、「そっちに乗ろうっと」みたいなことを書いていました。もちろん憤慨したから覚えているのです。しかし、欧州車の各メーカーも揃ってPHVを出してきた。まさに、HVを普及させてきた日本車の、トヨタの勝利であると言ってもいいと思います。だって、PHVはHV車ですから!
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そしてそうなると、今度は、まだPHVの新車が少ない日本車を攻撃して、「次世代車で圧倒的な敗北」と書くのがジャーナリズムです。つくづく困ったことだと思いつつ、なるほど氏の指摘は、その時点ではプリウスPHVの新型は登場していませんから、対応が遅いのではないか?と言っている指摘だと考えてもいいでしょう。
でも、このイベント、よくタイトルを見れば、「EVとPHVのキャラバン」なのです。トヨタやホンダが進めているFCVは入っていないのですね。そして普通のHVももちろん入ってない。考えてみて下さい。
トヨタのFCV MIRAI
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FCVは間違いなく次世代車の候補の一つですが、こちらも欧州ではまだ主力的な考えとは言えません。言えませんが、忘れてはいけないのはアウディははっきりFCV車へも投資していることを明らかにしていますし、e-gasプロジェクトを進めています。BMWはトヨタとの協業でFCVの試作車を発表しましたし、メルセデスもFCVに取り組んでいることが公表されています。今クルマジャーナリズムで水素ステーションやFCVを肯定的に評価しているものはごく稀で、批判ばかりが多く見られますが、こうしたものを鵜呑みにしていると、それこそ世界から置いて行かれるのです。急にこんな高度なものが開発できますか?市販せずに技術が磨かれていきますか?答えは明らかでしょう。批判があっても取り組んでいく、市販することで技術的な課題を超えていく。そうして先行してこそ、欧州車に対する競争力が磨かれるのです。間違っていますか?
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燃料電池車の一番のメリットは、現在のGSのインフラの考え方がそのまま使えることです。航続距離が長いので、今のガソリンスランドの規模のまま、仮に水素スタンドへのスイッチができればスタンドでの渋滞が発生せずに済むでしょう。水素タンクへのチャージは3分程度で済むと考えられているからです。
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水素タンクが爆発したらどうするんだと、著名な経済評論家が指摘していましたが、だったら今のタクシーのLPG車はどうだっていうんでしょう。タクシーは何十万台も走っているんですよ。LPGだってガスですからリスクがありますよ。東ヨーロッパのようにLPG車の普及が進んでいる国もありますし、イギリスのように優遇している国もあります。もちろん水素には水素のリスクがありますが、それは他の燃料にもあるんです。大事なのは適切な対策が取られているかでしょう。少なくとも、日本の国益を害する立場からの批判には、もっと慎重であってもらいたいものです。
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さきほどのイベントは、このFCV車を対象にせずに行われています。そして、件の評論家は、日本車は次世代車を用意できなかった。だから敗北なのだ、と書いているのです。FCV車だったら、日本は世界に先駆けて市販車を発売し、既にトヨタとホンダの2車種が実際に公道を走っています。FCVも次世代車です。日本は遅れてなどいません!
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今後、日本でPHVが普及するか否かは、時代の要請しだいだと思います。なぜなら、日本では十分にHVが普及しているからです。
日本は、世界最高水準のエコカー普及国です。だいいち、走っている車の実に多くの車種にハイブリッド車があります。

カローラ・フィールダーハイブリッド
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こうした十分に高性能なHV車は、燃費も今やリッター20km以上を走り、普及車から最高級車まで揃っています。
(クラウン・マジェスタHV)
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PHVは高性能ですが、まだまだ高価でしょう。製品化はいつでも出来ると思いますが、プリウスから始まったハイブリッド車の展開も、実に慎重だったトヨタは、PHV車の展開も慎重に商品性を探りながら、マーケットの要請を踏まえつつ判断してくると思います。今度のプリウスPHVを4人乗りとしてきたのも、ある意味通常のプリウスとの差別化をするためでしょう。
私たちは、十分に高性能なエコカー、そして次世代車に恵まれています。決して次世代車で敗北などしていません。
舘内氏は、新型プリウスPHVの発売を前にして、ガソリンでも走れるPHVがスタンドで充電をしていたら、電池でしか走れないEVユーザーは不満を持つだろうという趣旨の意見を書いています。そして問題が解決すると譲り合いの精神が不要な潤いのない社会だというようなことを書いています。こんな主張の意味が分かるでしょうか。
技術の進歩を、片方では敗北と書き、もう一方では潤いがないと書く。批判のための批判に過ぎず、物事を進歩させていこうという意思が感じられません。
人類は、進歩を目指していくのです。科学技術もまたそうです。
プリウスは、日本を、またハイブリッド技術の歴史を代表するクルマです。
そうであるが故、不当な批判の的となることもあります。
FCVには、次世代車の方法論としての意見が多様にあり、欧州車が一面ではEVを押してきたこともあって、ジャーナリズムはMIRAIを、FCVを、トヨタを批判してきましたが、欧州車がHVの進化形であるPHVを次世代車と見なしてきたことは、これまでのジャーナリズムのプリウス批判を否定することにつながります。
まして、HVの元祖であるプリウスが、HVの進化形であるPHVに進化してくることは通常の進化であることから、ジャーナリズムは有効な攻め手がないと考えるのでしょう。そういえば、カーグラフィックのプリウスを取り上げた記事では、燃費がまた一層改善し、乗り心地も良くなってきたということで、もはや指摘すべき欠点が見つからないというようなことを正直に書いていました。批判のための批判などおかしいことだと思いませんか。なんのために批判するのですか。
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クラウンの時もそうでしたが、クラウンの開発担当者が、もはやライバルは自分と言っていたように、トップランカーにはトップランカーの悩みがあります。プリウスもそうなんでしょう。だから、豊田章男社長は、「プリウス、カッコ悪いぞっていつも言っているんです」とデザイナーの奮起を促していましたが(私は格好いいと思うんですけど批判的な意見も多くありますからね。)、そのように、トヨタは自らの課題を自ら見つけていかなければならないほど、ジャーナリズムの批判のレベルが問題なものがあると思います。
プリウスで事故が報道されると、プリウスのシフトパターンが問題なのではないか、と指摘する人がいてそれがニュースになる。別に意見を言うのはかまいませんが、こうした論拠のない意見をした人には、「保険会社の車種別評価でプリウスは普通の値です」と数値を出して反論している人がいました。販売台数が多くなれば、危険ならば事故も増えて保険会社の評価に出るはずですが出ていないと。まさに、言われなき批判には、こうした合理的な反論をしていくことが大事だと思います。
著名な評論家の国沢光宏 氏がレクサスを取り上げた記事で、
(レクサスは)トヨタ車に豪華な内装を付けて厚化粧しただけ
(レクサスは)欧州市場など全く評価されず相手にされていない状況。
と書いた記事に対して、私は、
レクサスはトヨタ車とコンセプトが違う。厚化粧したトヨタ車なんて、全然違う。
欧州では全然評価されていないなんていうけど、今年の上半期のレクサスの欧州販売実績は前年比116%の約3.6万台でシェアは伸びています。
レクサスはチャレンジャーです。評価はこれから築いていくものなんです。日本人でありながら後ろから弓を引くような批判はするべできはないでしょう。
と意見したところ、あっという間に「そう思う」というプッシュを多くの方にしていただきました。
今見たら、そう思う:262、そう思わない:20
となっています。
少数の意見が間違っているとはいいませんが、プロの書いたものに対して素人の私が批判したものを、多くの方が「そう思う」と言って下さる。
これは、それだけおかしな意見をプロの評論家が書いているということです。
彼らがおかしなことを書いて自分たちの業界の信用を落とすのは勝手ですが、私たち消費者にとっても良いこととは言えません。
襟を正して、消費者から、素人である私たちが真に参考となる情報を提供するように努めていただきたいものです。

by bjiman | 2016-12-01 06:00 | CAR | Comments(0)
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