終戦の日に

終戦の日を迎えました。今年は70年ということで、ひとつの節目を迎えた年であると思います。
先の大戦についての歴史上の評価は識者が行うことで、私が何か言うことではありませんが、私は、歴史を風化させないことと、事実を伝え続けることが大切ではないかと思っています。
昨年8月、ハワイを訪れた際に、戦艦ミズーリ記念館を見学しました。
終戦の日に_c0223825_23323246.jpg
ここ戦艦ミズーリ記念館は1999年1月に開館以来多くの見学者が訪れ、2012年8月で500万人を突破したとのことです。
13年少々で500万人ということは、年間38万人もの人が訪問しているということです。
ここでは、あくまでも米国の視点から見た先の大戦についての解説がなされていますが、展示内容も豊富で、見学する価値のあるものだと思います。
また、ここ戦艦ミズーリは、1945年9月2日に日本が降伏文書に調印した場所でもあります。
私たち日本人には言うまでもないことですが、今日、8月15日は、陛下がポツダム宣言の受諾を表明された日で、日本が正式に敗戦した日は9月2日、ここミズーリで調印した時です。
終戦の日に_c0223825_23470701.jpg
戦艦ミズーリは、1945年4月11日、沖縄海域で零式艦上戦闘機による神風特攻隊の突撃を受けており、その場所は今も突撃の衝撃によって鋼板が曲がった痕跡が残っています。
突撃して亡くなったパイロットの亡骸は、艦長ウィリアム・キャラハン大佐の命令によって米兵と同様に水葬がなされました。艦内で貸し出されたオーディオ解説ではこの命令には反対する米兵の気持ちも流れます。しかし艦長は、勇敢に戦った姿勢を讃え、国を思い戦ったその気持ちは我々と同じだと諭して水葬を行わせたということです。水葬は、日本の海軍旗である旭日旗を徹夜で手作りして丁寧に行われたということです。これは、米国人艦長の高い見識、モラルを伝えているという面もあると思いますが、ここで毎日米国は、先の大戦における日本兵の闘いをこのように伝えていること、それを毎日、米国人は学んでいるという事実は知っておくべきではないかと思います。
今年、戦艦ミズーリのすぐ脇にある戦艦アリゾナ記念館(真珠湾攻撃で沈没着底したままになっている戦艦アリゾナ上にある記念館)では戦後70年の節目に、特攻隊の企画展示が行われています。
このような、歴史から学び続けるという姿勢が非常に大切なことではないかと思っています。
終戦の日に_c0223825_23511154.jpg
戦艦ミズーリ記念館の近くに新しく開館された太平洋航空博物館には、ゼロ戦の実機だけでなく、真珠湾攻撃の際に海軍が開発した特殊な魚雷(真珠湾に停泊する軍艦を攻撃するには、浅瀬での使用に耐えるよう、通常の魚雷よりも沈まない特殊なものが開発された)を使った攻撃を、実際の魚雷の模型と一緒に丁寧に解説されています。私はこのことはもちろん知っていましたが、米国が現時点でこのような解説を米国人向けに行っていることに驚きを感じました。

終戦の日に_c0223825_00165567.jpg
先の大戦では、無数の先人が、未来の祖国の発展を信じて未来の日本人の平和にために亡くなられました。
後に続く私たちは、このような英霊のお陰で今日の平和を享受していることを忘れず、歴史を学び続けることが大切だと思っています。
今、日本では、米国と戦ったその事実さえ知らない若者もいると聞きます。信じがたいことです。
かつて起こったことの是非は別として、その事実を学び、歴史から教訓を得なければ、未来の発展を信じ祖国のために亡くなられた英霊の死を活かすことになりません。
私は、ティニアンで、グアムで、多くの戦争の傷跡を見てきました。
その中で、ティニアンのスーサイドクリフで見た碑文(「この大空と大海原に馳せる想い」)の内容を深く受け止めています。
8月15日は、この碑文に込められた想いを胸に、戦争の悲劇のもとに散華された多くの英霊や亡くなられた方々に感謝の気持ちと鎮魂の誠を静かに捧げる日であって欲しいと願っています。




「碑文」
この大空と大海原に馳せる想い
~日本からこの地を訪れたすべての人々へ~

あなたの純真な心に純粋に美しく映える
この見渡す限りの大空と大海原が、
ひととき悲しみに曇り涙に霞んだ真実を忘れること無く
後世に伝えて欲しいと願います・・・

大東亜戦争当時、
日本を遠く離れこの島を含め南洋の多くの島々で
戦没された軍人兵士『英霊』や、
運命を共にされた当時の在留邦人の多くは、
国家防衛と国民平安の為に尽くされ、
祖国の永続と民族の永遠とをひたすらに願い、
尊い命を捧げられました

激戦の果てに行き場を失い日本民族の誇りに懸けて、
この断崖から紺碧の海に我が子と共に身を投げることなど、
我々には想像もし難い事実であります

平和な次代を残す為に
日本人としての生き方を示し遺された先人達に
感謝の心と敬慕の念を以ってお報いする為、
慰霊の誠を捧げていただければと存じます

散華された『英霊』と戦没者の御霊は、
祖国に帰り靖國神社にお祀りされております

そして幸せに元気よく今の世を生きている
『あなた』を見守っていて下さいます

帰国後は、この島のこの場所であなたが感じた
見渡す限りの大空と大海原の美しさを、
靖國に鎮まる御霊にあなたらしく伝えていただければと願います


by bjiman | 2015-08-15 23:50 | 東京の庭園・寺社仏閣等
<< 神津島特集③ありま展望台~千両... 神津島特集② 前浜~神津島灯台... >>