空挺館(明治天皇の御馬見所)~習志野探訪(3)~

新京成の旅シリーズ 習志野編(3)です。

(1) 習志野原の陸軍演習と関係が深いのが、陸軍騎兵学校。この学校は、明治21年に陸軍乗馬学校として、東京・目黒区に設立されています。戦前までは、東京帝国大学、陸軍士官学校と並び卒業式は天皇陛下のご臨席の下に行われていたそうです。陸軍騎兵学校は、大正5年に習志野原に移転し、大正6年に陸軍騎兵学校に改称。昭和11年には陸軍戦車学校となり、終戦まで続きました。 (SIGMA SD1 Merrill,SIGMA 17-50mmF2.8,以後同じです。)
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(2) 明治天皇陛下は、騎兵だけでなく、乗馬にも深い関心がおありになったということで習志野原での軍事演習もそうですが、騎兵学校が東京目黒にあった頃から度々同校にも訪問し馬術等の演目をご覧になられたとか。
熱心にご覧になられるあまり、雨が降っても立ち尽くされてずぶ濡れになってもご覧になられていたということから、専用の施設を建設しようということで明治44年に建築されたのが、御馬見所(現・空挺館)です。 
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札幌の豊平館(ほうへいかん)を思い起こさせる白と水色のカラーリング。思えば豊平館も、最初の宿泊客は明治天皇陛下でした。
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(3) 御馬見所は、大正5年に騎兵学校が習志野に移転した際に一緒に移転され、迎賓館として使用されたそうです。戦後は、昭和37年に空挺館と改称され、空挺精神を伝えるとともに、旧陸海軍の資料館として使用されています。 (SIGMA DP3 Merrill)
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(4) それでは早速見学してみます。 (DP3)
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(5) この御馬見所が建築されたのは明治44年、つまり明治天皇陛下の御晩年ということになります。このため、ご覽になられる2階バルコニーに行くのに最小の動線になるよう考慮がされており、玄関をくぐるとすぐに2階に上がる階段(帝王階段)があります。
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(6) この階段がまた素晴らしい。建築はコロニアル様式ということですが、戦前の洋館らしい上品なものです。 (SD1/17-50mm)
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(7) 各部屋の仕切りや、玄関外にもペディメント(屋根下部と水平材に囲まれた三角形の部分、日本でいう「破風」)がつけられ、宮中のスタイルを感じさせるものなのだとか。 (以下2枚のみSONY Cyber-shot RX100/ツマ撮影)
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(8) 階段を上がって進むとこんな風に。 (SD1/17-50mm)
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こちらのホールに進まれるようになっています。
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(9) 貴賓用いすが出迎えてくれました。
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実はこのいす、騎兵学校の表玄関となる津田沼駅に置かれていた貴賓用いすでした。昭和42年に寄贈されたものだそうです。ぴったりこのホールの雰囲気に似合っていますね。 (DP3)
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(10) 明治天皇陛下は、頼もしい気持ちで若い騎兵達の習練をここからご覧になられていたのでしょう。 (上SD1/下DP3)
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しゃれた意匠のシャンデリアです。当時のデザインのものなにかは分かりませんが。 (DP3)
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(11) 鞍が展示されていました。
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(12) 昭和11年以後は、戦車学校だったので、戦車のプラモデルが展示されていました。子どもの頃、よく作ったなぁと思い出し。
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(13) 戦後は進駐軍に接収され、司令官の宿舎として使用された時期もあるということで、屋根裏から米軍用缶ビールが発見されたとか。昔の缶ビールって、今のコーヒー缶みたいだったんですね。プルタブもなく、缶切りで開けたような穴が開いています。穴が開いていない未使用の缶は、きっとまだ中味が入っているんでしょうね。それはそれで興味深いような(笑) (DP3)
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空挺館の展示はかなり充実していて、じっくり見るなら相当時間を取らないとという感じでした。
このような施設が重要文化財になっていないというのはかなり意外な感じがします。平成4年に船橋市指定文化財にはなったそうですが、現在は解除されており、防衛省や一般市民の寄付によって修復作業が行われているそうです。基地内にあって普段は非公開であることもあり、一般にはあまり知られていないという点が残念です。
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空挺館を知ることは、習志野の歴史に出会うことでもあり、また、日本の近代史における歴史の流れをおさらいすることにもなります。
このような生きた教科書をなぜもっと広め、活用しないのかが課題であると思います。
私は最近、この沿線の旅を続けながら「小金牧」というテーマに出会い、見学や勉強を続けています。その中で、大層な歴史観を考えたり教えたりする前に、まず地元の歴史を見つめるべきではないかと考えるようになりました。この後の特集でも触れますが、地域の宝の中には、地元の小学校の先生が発見し、熱心に保存されたものもあります。
このような地域の宝を通して、実在の明治、実在の戦前を眼前に体験しながら歴史のダイナミックなうねりを感じることで、はじめてもっと大きなスケールでものが考えられるようになるのではないでしょうか。
地元の歴史を知らずして、世界史など語れるはずもないではないか、そんな気がするのです。
空挺館は、保存しながら活用できる国指定文化財への登録も検討されているそうですが、このような貴重な施設はぜひもっとPRして、大切にしながら積極的に活用して保存して欲しいと切に願います。

2013.4.7 自衛隊第一空挺団習志野駐屯地内 空挺館にて
SIGMA DP3 Merrill
SIGMA SD1 Merrill
SIGMA 17-50mmF2.8

※シグマから、18-35mmF1.8などという、いかにもシグマらしい個性的なズームが登場するようです。
私は17-50mmF2.8をもっとも愛用していますが、50mmはDP3 Merrillの50mmF2.8が来たこともあり、まだ発売日は未定なので、いつ登場するか、価格はどの程度かにもよりますが、標準ズームをこれにスイッチしようかなと早速グラグラきています。
DP2 Merrillはキャンペーン中に入手したいと思っていますが、DP1は、しばらく現有のDP1xを使い続けることにして、こっちを先にしようかな、、と思案中です。やっぱりF1.8は魅力だなぁと思うので。
by bjiman | 2013-04-21 06:43 | 新京成電鉄沿線散歩(new!) | Comments(0)
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