江戸小紋(風)で気軽に~洗える着物~

週末はなるべく着物で過ごそうと思っています。そんな週末和装人に欠かせないのが「洗える着物」
気軽に飲みに行け、パスタソースが飛びそうなイタリアンにも行ける、そんな事を考えると、気軽に自宅で洗えるポリエステルの着物はとても重宝すると思います。

(1) そんなことで仕立ててもらったポリエステルの「洗える着物」が出来上がってきました。 (SIGMA SD1 Merrill/SIGMA 17-50mmF2.8)
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着物の生地には先染めの糸を織る「織物」と、白い糸のまま織って反物を作ってから後染めする「染め物」があり、紬やお召しなどが織物、友禅が染め物としては有名です。男性の着物の場合は柄であっても無地に近いような紬とかお召しなどほとんどが織物で、染め物といえば礼服の黒紋付きなどとなりますが、染め物であっても柄が小さく遠目に見ればほとんど無地に見える「江戸小紋」であればおしゃれ着にもなって素敵だと思います。
(2) 今回選んだ柄は、そんな江戸小紋の中でも代表的な柄、羽織は「角通し」、着物は「万筋」です。
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(3) 江戸小紋は、江戸時代、諸大名が身につけた裃(かみしも)の模様として使われたもので、伝統的な和柄のモチーフによる染め物です。贅沢を禁じる奢侈(しゃし)禁止令が出ると、柄が豪華に見えないようにと遠目には無地に見えるように柄がとても小さく、細かくなり、その技術が精緻を極めるようになります。江戸小紋三役と呼ばれる柄が、「行儀」「通し(角通し)」「鮫」の3つです。織物は先染めなので、表も裏もなく同じ柄となりますが、染め物は後から染めるので、私が今回お仕立てした生地は、片面に「通し」、片面に「鮫」を染めています。通しは、白地の角模様が整然と並ぶ様が凜々しい柄。鮫は、半円の組み合わせで模様に丸みがあるからか、とてもしなやかで、女性的な印象があります。紀州藩徳川家の柄(定め柄)です。通しも鮫も模様が細かいほど高級で、極鮫、極通しともなれば、3cm四方の型紙に900個もの穴を開けるそうです。当然本物の江戸小紋の反物はとても高価です。白い反物に下敷きのような大きさの型紙をひとつひとつ当てながら12mの反物に染めていく作業は気の遠くなるような工程です。本物の江戸小紋は、東京都の国指定伝統的工芸品です。 (RICOH GRD2)
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ちなみに、私が先日仕立ててもらった雪駄の鼻緒の文様「菊菱」も江戸小紋に使われます。加賀藩前田家の定め柄です。
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(4) 着物は、焦げ茶がかったチャコールグレイの「万筋」。万筋は、三役に次ぐ江戸小紋五役のひとつに数えられます。まっすぐな縞模様を型紙を使って曲がらずに染めるのは大変に難しいということでこれも技術を要する染めとのこと。縞の本数が多いほど高級で、最高級の「玉筋」ともなると3cm四方に26本もの筋が入るとのこと。 (SIGMA SD1 Merrill/SIGMA 17-50mmF2.8)
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ちなみに私のは3cm幅で18本でした。26本もあったらほとんど無地に見えるでしょうね。
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裏地もポリですが、正絹のようなサラっとした白の生地に段々に黒ムラサキになるボカシが入っていてお洒落です。
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着てみると着心地も良く、羽織、着物とお仕立てししても数万円で出来てしまう気軽さ。着物入門に最適ではないかと思います。
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マグネット式の王冠の羽織紐と、金色の米沢織の帯と合わせて。長襦袢の鳥獣戯画の柄は、こんな風に袖から覗くので下に着る長襦袢の生地感は大事です。
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これで袷(あわせ)の3シーズン用着物が2枚とコート、雪駄が2つそろい、帯2種類、羽織紐も2つと何とか2組の組み合わせができるようになって、冬を着物で過ごせるようになりました。正絹のしなやかさからポリエステルの便利さ、気軽さと現在の和服は世界が広がっています。それでも男性が着物の世界にアクセスするのはまだ敷居が高い状況にもあり、でも取り組んでみると意外に気軽に取り組めたり、呉服屋さんの方々との素敵な出会いもたくさんありました。昨日12月13日がお正月に向けての「事始め」の日だったそうですが、そのうちに私、初心者の男性が和服に取り組んだ感想などを「男性初心者・和装事始め」としてまとめてみたいと思っています。

2012.12.12 
SIGMA SD1 Merrill
SIGMA 17-50mmF2.8
SIGMA DP2x
RICOH GRD2
by bjiman | 2012-12-14 01:42 | 和装・着物生活・伝統的工芸品 | Comments(0)
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