ギリシア神話で航海のお話というとトロイア戦争でのオデュッセウスの大航海が読み応えがあり、私も大好きなお話なのですが、こちらは神話というよりリアルな実話の性格が強く、ギリシア神話とは区別して考えられる場合もあります。
イアソンのアルゴー号の航海は純粋に神話らしいお話として印象深いものがありました。 ということで、今日はこんな1枚。 船首像 (船の科学館にて:SIGMA DP2x,24.2mmF2.8) ![]() 東京・お台場の船の科学館が閉館になるということで9月24日に訪問したことは以前書きましたが、急ぎ足で館内を見学しているときにこの船首像を見つけて「おっ」と足を止めてしげしげと眺めました。イアソンのアルゴー号のお話に出てくる船首像のイメージそのままだったからです。 ******************************** イオルコスという小さな国の王・アイソンは、弟のペリアスに王位を奪われ、息子のイアソンは半人半馬のケイロンに預けられて育てられました。成長するとイアソンはペリアスから王位を奪還するために故郷へ向かいます。一方ペリアスは予言の森・ドドナの神木から靴を片方だけ履いた者に王位を奪われるとの神託を受けていました。イアソンは故郷に向かう途中、川を渡る際に老婆に扮した女神・ヘラをおぶって渡り足を取られて靴を片方流してしまっていたので、ペリアスの前に現れたとき、靴を片方しか履いていませんでした。ペリアスはイアソンに王位を奪われると思い、無理難題を出して始末してしまおうと考え、地の果ての遠くにある軍神・アレスの龍が守る黄金の羊の皮を取って来られたら王位を譲ると提案。引くに引けないイアソンが出かける大航海がアルゴー号の航海のお話です。 ![]() 当代一の腕利き大工・アルゴスが腕を振るって作った快速船・アルゴー号の船首には、ドドナの森の神木から切り出した女神・アテナの船首像が取り付けられおり、この船首像の導きや、航海の途中で出会った魔女・メディアの活躍もあってイアソンの大航海は成功裏に終わります。。。 こんなお話なのですが、イアソンの大航海のお話はとても長くて、またその途中も大変興味深く読めるものですので、もしご興味がありましたら読んでみて下さい。 神話の世界に親しんでいると、「ゼウスはどんな顔だったのだろうか」にはじまって、ひと目見てみたいと思うものです。そういう意味で神話が描かれた絵画の世界に興味が向かうのも自然な流れ。でもそんなとき、こうして船首像の実物を見たときの感激は深いものがあります。 「ほんとにあったんだ!!!」という感じですネ。(この船首像は実物だそうですし) ちなみにイアソンの航海は成功しましたが、妻としたメディアは魔女中の魔女。イアソンへの愛の為とはいえ猟奇的な事件を起こし、悪い評判が立つことを懸念したイアソンは王位を継承せずメディアとともに国を出てしまいます。後にメディアと悲劇的な別れを迎えてやがて孤独な老人となり、最後は朽ちたアルゴー号の船首像の下敷きになって亡くなったと伝えられます。 2011.11.15 SIGMA DP2x
by bjiman
| 2011-11-16 00:19
| ギリシア神話が好き
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Comments(3)
おはようございます
神話ってハッピーエンドで終わるモノ少ないのでしょうか・・・
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こんばんは。
ハッピーエンドなお話というと、「愛のキューピッド」のエロスの初恋の お話があります。 エロスは人間のプシュケ(魂の意)に恋しますが、彼の母は美の神・ アフロディーテ(ヴィーナス)であり、息子への愛からプシュケに嫉妬 し、数多くのイジメでエロスの愛を邪魔するものの、エロスの真摯な 愛をゼウスが認めてプシュケは神として天空に迎えられハッピーエ ンドになるというお話しです。愛(エロス)と魂(プシュケ)は一体で幸福 というお話のようです。「喜び」という子どもを設けます。
(つづき)
一般にはギリシア神話にはハッピーエンドになるお話は少ないと思い ます。神々と人間との恋話はたくさんあるのですが、いずれも不死で 年を取らない神と年を取る人間との不幸な結論が多いですね。 やっぱり人はいつか死ぬのが条理であるという哲学があるのではない かと思います。 また、傲慢になる→懲らしめられるを繰り返すという点で旧約聖書と も共通する面が多々あるような気もするのですが、旧約聖書が 絶対的な存在である創造主と人間という関係であるのに対し、ギリシ ア神話は神々も掟には従わなければならず、大神・ゼウスでさえ傲慢 になったと大地の神・ガイアから懲らしめられるお話もあるとおり、 ギリシア神話の戒めは、日本古来の「お天道様が見ている」に近い ものがあるのではないかと思います。 女性に持てても感心を示さず冷たくあしらったため復讐の神・ネメシス に罰せられ、自分しか愛せなくなって死ぬナルキッソス、おしゃべりが 過ぎると自分のおしゃべりができなくなるエコー、、、挙げればキリが ないのですが、神話は、戒めをするためのお話も多いですね。
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