船首の女神像 イアソン・アルゴー号の航海

ギリシア神話で航海のお話というとトロイア戦争でのオデュッセウスの大航海が読み応えがあり、私も大好きなお話なのですが、こちらは神話というよりリアルな実話の性格が強く、ギリシア神話とは区別して考えられる場合もあります。
イアソンのアルゴー号の航海は純粋に神話らしいお話として印象深いものがありました。
ということで、今日はこんな1枚。

 船首像  (船の科学館にて:SIGMA DP2x,24.2mmF2.8)
船首の女神像 イアソン・アルゴー号の航海_c0223825_23301897.jpg

東京・お台場の船の科学館が閉館になるということで9月24日に訪問したことは以前書きましたが、急ぎ足で館内を見学しているときにこの船首像を見つけて「おっ」と足を止めてしげしげと眺めました。イアソンのアルゴー号のお話に出てくる船首像のイメージそのままだったからです。

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イオルコスという小さな国の王・アイソンは、弟のペリアスに王位を奪われ、息子のイアソンは半人半馬のケイロンに預けられて育てられました。成長するとイアソンはペリアスから王位を奪還するために故郷へ向かいます。一方ペリアスは予言の森・ドドナの神木から靴を片方だけ履いた者に王位を奪われるとの神託を受けていました。イアソンは故郷に向かう途中、川を渡る際に老婆に扮した女神・ヘラをおぶって渡り足を取られて靴を片方流してしまっていたので、ペリアスの前に現れたとき、靴を片方しか履いていませんでした。ペリアスはイアソンに王位を奪われると思い、無理難題を出して始末してしまおうと考え、地の果ての遠くにある軍神・アレスの龍が守る黄金の羊の皮を取って来られたら王位を譲ると提案。引くに引けないイアソンが出かける大航海がアルゴー号の航海のお話です。
船首の女神像 イアソン・アルゴー号の航海_c0223825_033315.jpg

当代一の腕利き大工・アルゴスが腕を振るって作った快速船・アルゴー号の船首には、ドドナの森の神木から切り出した女神・アテナの船首像が取り付けられおり、この船首像の導きや、航海の途中で出会った魔女・メディアの活躍もあってイアソンの大航海は成功裏に終わります。。。
こんなお話なのですが、イアソンの大航海のお話はとても長くて、またその途中も大変興味深く読めるものですので、もしご興味がありましたら読んでみて下さい。

神話の世界に親しんでいると、「ゼウスはどんな顔だったのだろうか」にはじまって、ひと目見てみたいと思うものです。そういう意味で神話が描かれた絵画の世界に興味が向かうのも自然な流れ。でもそんなとき、こうして船首像の実物を見たときの感激は深いものがあります。
「ほんとにあったんだ!!!」という感じですネ。(この船首像は実物だそうですし)

ちなみにイアソンの航海は成功しましたが、妻としたメディアは魔女中の魔女。イアソンへの愛の為とはいえ猟奇的な事件を起こし、悪い評判が立つことを懸念したイアソンは王位を継承せずメディアとともに国を出てしまいます。後にメディアと悲劇的な別れを迎えてやがて孤独な老人となり、最後は朽ちたアルゴー号の船首像の下敷きになって亡くなったと伝えられます。

2011.11.15
SIGMA DP2x
by bjiman | 2011-11-16 00:19 | ギリシア神話が好き
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