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JBL2130ユニットを交換。~夏休みの工作~

3連休でしたね。私は時間のある時にやろうと思っていたスピーカーのちょっとした改造に取り組みました。
Sansui monitor2130 SIGMA DP1 Merrill

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私が6月に購入したSansuiのmonitor2130は70年代に発売されたものですから、もう40年以上は経っている訳です。そんなスピーカーのサウンドに完璧を求めるのは元々無理筋というもので私はそういう期待は最初からしていませんでした。専門的な事を言えば、monitor2130に搭載されている30cmユニットのJBL Professional2130は、強力なアルニコマグネット仕様ですが、アルニコマグネットには減磁しやすいという特性もあるし、年代が経過したネットワークのコンデンサーには容量ヌケという問題もあります。でもオーディオというのは趣味なので、ずっと憧れだった初期型D130の流れを汲む2130ユニットと、手作りの組格子がついたキャビネットは大きさといい、色といい私の理想と言ってもいいもので、毎日一度はキャビネットを触って癒やされています。その前提を置いてですが、気になっていた要改良点の一つは、特定の周波数域で発生する「歪み」でした。歪みがあるために、音が混濁してクリアに聞こえないという問題点を感じ取っていました。あくまでオーディオレベルの音量で、オーディオレベルの聴き方をした場合に、ですが。最初に疑ったのは、30cmユニットのヴォイスコイルが磁気回路とのギャップに当たっているのではないか?という疑問です。
下の写真にあるように、最初に買った状態の時についていた30cm2130には、センターキャップ下部のところに、接着剤がこぼれたのを拭いた後が見えます。これは製品出荷時にあったものとは考えにくく、発売後、コーン紙を取り替えた際などの処理が雑だったのではないか、と思った訳です。2130は民生用D131のプロバージョンで、耐入力が60wから100wまで引き上げられています。もちろんPA用途を考慮したからでしょう。そのためにヴォイスコイルのギャップは特に精密に設定されていると読んだことがあります。ヴォイスコイルが磁気回路に当たって歪みが出ているとしたら、最悪、コーン紙をもう一度張り替える必要が生じ、部品代を考えるとペアで10万円以上の出費は覚悟しないといけません。自分でやればパーツ代だけですが、そんな蛮勇はありません。
そこで、手軽な価格の2130の中古が出ていたら、一度入れ替えてみたいなと思っていました。D131ファミリーは、D131アルニコ仕様、D131H(フェライト仕様)、プロ用の#2130にもアルニコの#2130とフェライトの#2130H、楽器用途に特化したE12Oとか、豊富なファミリーがあり、70年代以降のものであればフレームは共通ですから簡単に入れ替えが可能です。最初は手軽なE120Hなどの気軽なものがあったら、とも思ったのですが、やはりSansuiのエンジニアが70年代に、なぜ民生用のD131ではなくてわざわざプロフェッショナル用途の高価な#2130をチョイスしたのかを考えると、当時の最上を選択したのだろうと想像し、その趣旨を踏まえて同じ#2130を選んだ方がいいように思えました。それで#2130の中古をオークションで何気なく見ていたら、ちょうどおあつらえ向きの保管未使用品が手軽な価格で出ているのを見かけたので何気なく入札したところ運良く落札できたので、早速入れ替えを実施してみました。

私が今回購入した、JBL Professional2130の1本。 Serial#4542 1970年代に売られていたものとしては信じられないほどフレームもキレイです。
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素人にはおよそ分からない部分ですが、コーン紙裏に書いてある英数字の記号を見ていると、こういうのはオリジナルのコーン紙かなと思ったりします。C2の文字が見えるでしょうか。
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コーン紙表面もキレイ。センターキャップも新品のようです。もちろん接着剤の液ダレはありません。
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もう一本のSerial#4549。こちらも、フレームはとってもキレイです。
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こちらには小さな問題があって、コーン紙に1cmほどの破れがあります。でも、正直なところ完璧を求めるつもりはありませんし、こうした欠点があったからこそリーズナブルに落札できたと思います。それに、素人考えですがこの程度の裂けが音質に問題を及ぼすとはおよそ考えられません。それにこの傷には、裏面からスピーカーメンテナンスで使われるボンドで補修がされてありました。何しろコーン紙は「紙」ですからこれで十分だと思います。
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交換作業といってもそんなに難しいものではありません。monitor2130の#2130ユニットはネジ4本で留まっているだけですからそのネジ4本を外して配線を付け替えてもう一度、装着すればいいだけ。1本15分もあれば作業できます。ユニットを外すとこんな感じ。奥にネットワークが見えます。

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コンサート会場などで使われる#2130ですから、交換は迅速にできるようにターミナルもプッシュ式ですぐ交換できるようになっています。ハンダは要りませんし、もともとも半田付けはされていませんでした。
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あっという間に作業完了。そわそわと音だししてみました。
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結果は、、、残念ながら非常に似た、いや同じユニットを交換しただけなので当たり前ですが、同じ音が出ました。気になる歪みの部分は同じでした。
ただし全体的には、中低音にバランスのあるふくよかな音質で、満足度は変わりません。美しいユニットが付いた、とりあえず今回はそれで満足しようと思いました。
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右側に付けたこのユニットの傷も、こうやってシステムに着いてしまえば全く気にはなりません。
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外した方の#2130ユニットの片方は磁気回路のプレートの部分がかなり腐食が見られます。フレームにも錆かなと思われる浮きがちらほら見られます。Serialも3000番代なので、今回私が買ったユニットより以前のものなのかもしれません。コーン紙はリコーンされているのかなと思っていましたが、こちらもコーン紙裏の「K」のロゴを見ているとオリジナルかな?と思ったりしました。まぁ素人には分からない部分だと思います。いずれにしても今回買ったユニットの方が全体の状態はいいと思います。
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そんな訳で夏休みの工作は終わりました。後はネットワークのコンデンサー容量ヌケによるツイッター077からの聴感上の歪みなのか、あるいは他の原因なのかを慎重に探りつつ、時間を掛けて手を入れていこうと思いました。monitor2130のネットワークは、7KHz、12dB/octの回路なので、LCコイル、コンデンサーの組み合わせ回路だと思いますが、仮にこちらに手を入れないでも7kHz、6dB/octのローカットでいいのであればコンデンサー1本Tweeterに噛ませればいいだけなので、何かの機会に試して見ようかなとは思ったりします。#2130の交換したユニットはしばらく交換パーツとして保管しておく予定です。

by bjiman | 2017-08-14 02:30 | PCオーディオへの道 | Comments(0)

monitor2130 ご機嫌に鳴っています

同じ写真ばかりですみません。
Sansui monitor2130が来てから2週間経ちました。毎日聞いているのでどんどん我が家の環境に慣れてきているようにも思います。(錯覚かな。)
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30cmワイドレンジのJBL Professional2130ユニットが得意に鳴らしてくれるのは、ありきたりですがやはりJAZZです。JAZZになると急に音が芳醇に、甘く豊かに、活き活きと鳴るように思います。POPSだと案外平凡なのに、JAZZだとピアノもサックスもギターも素敵。TweeterのJBL077は、ヴォーカルとか鳴らすと定位にすごく影響します。はっきりと高い音を定位させるので、音像がくっきりします。
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monitor2130との暮らしに、すっかり満足しています。
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七宝組子が眺めていて飽きません。
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by bjiman | 2017-07-03 02:12 | PCオーディオへの道 | Comments(0)

瀬川冬樹氏を愛読していた時代~私のオーディオ史~

オーディオの本を読み始めたのは中学生の頃でしたが、当時、オーディオは全盛期。オーディオ評論家と言われる方にも大家の方がたくさんいらして、それぞれ「俺は菅野沖彦派」とか「やっぱり庶民的な長岡鉄男」だとかあったと思います。
印象的なのは、今考えても皆さんとても文章力があると思う点で、それぞれの語り口で、オーディオを、音楽を、メーカー論を、熱く語っていましたし、著作も多くに及んでいると思います。私は、瀬川冬樹さんが大好きでした。中学生時代、まだ子供でしたが、氏のとても独特の語り口、、、特に「ひどく」という言葉を独特に使われるのが印象的で、「ひどく美しい、、、」といったような、文体を眺めながらどんどん氏の文章に惹きつけられていったものです。
そんな氏の著作集が出ていると知ったのは2014年の頃。その著作集「良い音とは 良いスピーカーとは」((株)ステレオサウンド)は、私が気づいた時には2013年5月発行の初版が全て売り切れていて、中古でも探すしかないか、、、と思っていたら2014年9月に増刷版を注文分だけ刷るというような話があったので兎にも角にも注文を入れて入手できたときはとても嬉しかったです。

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中学時代、特に忘れられない氏の文章は、下の中学時代に撮った写真の中にある、確かSoundMATEか、playtapeのどちらかの巻末に載ったショートエッセイで、ウィーンフィルの会場(?)のセンターマイクに軍事機密の技術を使って無線機を付け、それを自宅の2Tr38cmでゆっくりと楽しみながら録る、、、でも軍事機密を違法に転用している怖さでドキドキし、結局、バレる、という所で目が覚める(夢だった、、、)というような、落語の「夢オチ」のような展開ですが、テープの本だったのでそんな話にしたんだと思います。こんな、ちょっとしたショートショートみたいで、逆に言えば通り一遍のオーディオ評論家ではない文学的な要素が魅力の氏らしい文章だったと今でも印象に残っています。でも今ではこんな違法な事を夢想しなくてもウィーンフィルのニューイヤーは非常に高音質で中継を聴いて自宅のオーディオで楽しめる時代になったのだから隔世の感があります。
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氏は昭和56年(1981年)に46歳という若さで亡くなられ、当時高校生だった私には衝撃的でした。特に読んでいるだけで辛さが伝わってくるような友人の菅野沖彦氏の追悼文が忘れられません。
自動車評論家もそうですが、果たして没後30年も経ってもなお著作集が増刷され、愛読されるというような時の重みに耐える文章を残すことができる方が今どれだけいらっしゃるかと思います。氏の著作集から読み取れることは、やっぱり真剣に書くということだな、と改めて思わされます。それと、やはり読書量なんでしょうね。話題が豊富です。この時代の方ですからとても珍しいという訳ではありませんが、アンプの自作も出来た方ですし、工業デザインもされていました。中でも外国のメーカーのエンジニアとの対話など今読んでも非常に今日的な議題として読むことができました。いい文章は古くならないし、今でも示唆に富んでいました。
また、氏と言えばJBLというくらいJBLを愛されましたが、かといって、今改めて読み返してみても国産メーカーの論評も丁寧にされていて印象的です。
これからの時代を生きていくために、自分も勉強しなければ、そして、たまさか読んでいただくかもしれない文章を書くときは、一生懸命書こうと思うのです。

(長岡鉄男氏の本もずいぶん愛読したものです。)
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2017.6.27 bjiman

ネットを見たら氏の著作集はまだ新品が売られていますから、さらに増刷されたのかもしれません。氏のファンの多さにナルほどとうれしく思います

by bjiman | 2017-06-28 01:47 | PCオーディオへの道 | Comments(6)

Sansui monitor2130 を迎えて1週間

Sansui monitor2130を迎えて1週間経ちました。予想以上にうまく部屋にもフィットしてくれたと思います。
Sansui monitor2130 (JBL Professional2130+JBL 077+JBL Professional3105)/SIGMA DP2 Merrill
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とりあえずジュータンマットに直置きした時の最初の課題は低音域のブーミングでしたが、これも山本音響工芸の木製インシュレーターを設置してみたらすっきり解決し、かなり制振された感じで、床が振動している感じがかなり低減されたと思います。一方で、ブーミングしていた時の芳醇な感じも低減したように感じますが、この辺は全体のバランスということかと思います。木製インシュレーターはウレタン塗装でローズウッド風に塗装されていますが、これもmonitor2130の雰囲気に良くマッチしていると思います。(SIGMA DP1 Merrill)
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monitor2130の中心的なユニットは、30cmフルレンジのJBL Professional 2130。このユニットは、元々はジェームス・B・ランシングさんが1948年に発売したD131で、2130では、PA等のプロフェッショナル用途に合わせて、耐入力を100Wまで引き上げています。耐入力の引き上げにはボイスコイルのギャップの精密化などが必要なようで、その分価格も高く、1974年頃のD131の国内価格が1本49,400円であったのに対し、2130は1973年当時の価格が1本71,000円もします。30cmですのでフルレンジというよりはワイドレンジユニットですが、8KHzまでカバーした高音域の実力は十分で、中央のアルミのセンタードームからはかなりの音量の高音が出ています。ヴォーカルなどは生々しい音で再現されますし、発展型の後継機、楽器演奏用のE120はギターアンプでも使われるものですから、エレキギターのサウンドもご機嫌です。
2130も077も今では貴重なアルニコVマグネット仕様ですが、アルニコV=サウンドもご機嫌という風潮はちょっといかがかなと思います。確かに当時の周波数特性の表などを見ていると、フェライトマグネット仕様になってから低音域がアルニコ時代よりも下がっているものも見かけましたが、アルニコマグネットには減磁しやすいという特性もありますし、古いアルニコV仕様は、そういうものだと思って使う必要もあると思います。再着磁なんていう高度な技術もあるようですが、一般には特殊な世界の話だと思います。
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私のmonitor2130では、高域側をJBLのディバイディングネットワーク3105を通じてクロスオーバー周波数7kHzでTweeterのJBL077に分担。
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077は、JBLの著名なスタジオモニター4343にも用いられた2405の民生用バージョンで6.5kHz以上をカバーするスーパートゥイーターですが、105dB(7kHz)の最大音圧がありますから、かなりの音量の高音が出ます。といっても2130の方も101dBと驚異的な高能率なので、ネットワークでのアッテネーターのボリューム位置は、現在は「3」で聞いています。(写真は4の位置になっていますが、それを3に下げています。「1」側がマイナス側です。)
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よく見てみると、JBL Professional2130の30cmユニットは、コーン紙がかなりキレイ。アルミセンタードームも、70年代当時のものとは思えない輝きだし、エッジも新品同様です。2130は、コーン紙をアッセンブリー交換するリコーンキットが豊富に出ているので、おそらく、アッセンブリー交換されているのではないかと思います。
アルミセンタードームの接着部分の下を見ると、ダンピング材がちょっと垂れたのかそれを拭いたような跡が見られます。でもこういうリコーンキットが豊富に出回っているというのもBtoBビジネスでシェアを持つJBLならでは。コンサート会場ではまだかなりの2130が音楽を鳴らしているでしょうから、キットが必要ですし、そういう背景があって初めて豊富な中古の出物が良い状態であるのでしょう。長く使い続けられるという点では国産メーカーも見習うべき点があるのではないかと思います。
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このmonitor2130の個体は、どこかでキャビネットも再塗装したようです。30cmフルレンジのフレームに、キャビネットバッフルの黒塗装がはみ出ていますから、2130を装着したまま作業したのではないかと思われます。
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低音用のバスレフダクトが上に付いているというのもあまり見ない形式ですが、フロアのブーミングを考えると結果的には我が家では、このダクトが上にあったのは良かったと思います。耳を近づけてみると、重低音が響いてきます。
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とにかく、ご機嫌なmonitor2130。仲良くやっていけそうです。
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2017.6.24 bjiman
SIGMA DP1 Merrill
SIGMA DP2 Merrill

by bjiman | 2017-06-25 03:47 | PCオーディオへの道 | Comments(0)

Sansui Monitor2130② ~山本音響工芸のインシュレーターを試す~

Sansui monitor2130 が我が家に来てからまだ4日目ですが、とっても音が良く、空気感溢れる中に溶けこんでいくような、ちょっと熟成されたお酒のような味わいを楽しませてくれています。
しかし、フロア型のスピーカーなので、底面にジュータンマットを引いて直置きしていたのですが、低音がボコボコとフローリングの床を振動させるのが気になったので、早速対策してみました。こういうのはトライ&エラーなんだと思うので、あまり一度に費用をかけることはしたくありません。
そこで選んだのが、山本音響工芸というメーカーの出している木製のインシュレーター。
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この製品は、本体がアサダ桜材、まん中の尖ったピン型ベースが黒檀で出来ています。とても固い材なので、ピンの突き出た部分でスパイクとして重量を受け止めて振動を軽減させる効果も期待できるし、サウンドも低音のフロアとの干渉が防げる、結果的に音がスッキリするということらしいので、とりあえず導入してみました。
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このモデルには(大)と(小)があり、大きさが若干異なるのでどちらにするか迷ってメーカーに問い合わせてみたところ、フロア型なら大の方がいいですねぇ、、、ということでしたが、セカンドオピニオンも大事と秋葉原のヨ○○○カメラで聞いてみたところ、この手の製品は高いからいいとも言えず、また、原因がはっきり除去できるという保証もないので最初に買う物としてはあまり大きく、高価なものはオススメできないと良心的なご助言もいただき、(小)の方にしてみました。4個で5千円くらいで、ポイントも溜まっていたので、1万円以下で8個揃いました。
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早速セッティングしてみました。この製品は、まん中のピン型ベースによって、アサダ桜材のベースよりも約3mm程度浮いた状態で安定するように出来ています。これがインシュレーターとなって制振するというのですが、効果はどうでしょうか。。。音を出して台を触ってみると、台にまで振動が伝わっていると感じられる場合とそうではない場合があり、特定の周波数には効いているのかなと思いました。正直、劇的な効果は感じられませんでしたが、まぁきっと制振してくれているのでしょう。
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店員さんによれば、これで駄目ならゴム型のシールをインシュレーターに貼るといいと思いますがゴムは良い音の振動も消してしまうこともあるのでよく考えてみてください、とのことでした。
しばらくこれで様子を見てみようと思っています。

2017.6.21 bjiman

☆☆2017.6.22追記☆☆
改めてきちんと音だしをしてみて驚きました。低音のブーミングがすっかり取れて、、、いや取れすぎかと思うほど音が変わりました。よく言えば非常にクリアに、悪く言えば軽い感じになりました。制振効果はかなり高いという感じです。

☆Twitterでも色々書いていますので遊びに来てください。☆


by bjiman | 2017-06-22 00:50 | PCオーディオへの道 | Comments(0)

(補足追記)Sansui monitor2130 ~DreamComeTrue!私のオーディオ史~

我が家に、Sansui Monitor2130 がやってきました! (SIGMA DP2 Merrill)
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Sansui monitor2130は、当時、JBLの輸入代理店だった山水が、JBL社のPro用30cmフルレンジユニットのJBL 2130 を山水独自設計のエンクロージャーに納めたスピーカーシステムです。私が入手したモデルは、Tweeterに、JBLのスーパーツイーター・077 とネットワークにJBL Pro3105 を組み合わせてありました。これは、当時の山水のグレードアップの推薦例に準じたものです。
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メインとなる30cmフルレンジの2130こそ、私の理想のJBLです。このモデルの元々は、私の青春時代を魅了した、ジェームス・B・ランシングさんが、1946年にJBL社を創業して最初期のラインナップのうち、1948年に発売された当時のJBLを代表する38cmフルレンジD130 の兄弟モデルである30cmフルレンジのD131 であり、そのプロフェッショナルモデルという位置づけです。2130は、JBLのプロフェッショナルモデルとして、コンサート等のPA目的で開発されたものなので、大音量に耐えるよう、耐入力をD131の60Wから100Wに引き上げられている以外は、基本的には同一のモデルで、30cmフルレンジとしてこれ一発で、50Hzから8KHzまで、可聴帯域のほとんどをカバーしています。38cmフルレンジのD130と同一の強力な磁気回路を有し、能率は101dBと今日の低能率スピーカーとは一線を画す設計です。
D131には、JBL社を創業した当時のジェームス・B・ランシングさんの設計思想が強く反映されています。前職のALTEC時代、ALTEC A5に代表される劇場用の大型シアターシステムやあまりにも有名な同軸2WAYのスタジオモニター・604等の開発を行ってALTECの名前を世に知らしめましたが、ランシングさん自身は、「家庭用の高級スピーカーを作りたい」とぃう思いがあり、ALTECは5年で去ってしまいます。家庭用となると、業務用のような大型ユニットを何本も組み合わせたシステムは価格が高くなってしまいますし、最初に、1本で用が足りるフルレンジユニットを開発するというのはとてもよく分かる考えです。そして、特許などの複雑な関係があるようですが、コーン紙のカーブを浅く設計し、ALTECよりも一回り大型のボイスコイルとすることで高音域を伸ばした軽いサウンドを実現できると分かり、そこにアルミのセンタードームを直づけして、30cmや38cmという大口径でありながらフルレンジとしてこれ一本でそこそこ聴けるユニットを作ってしまった訳です。また、ALTECやWEとの特許紛争を避けるためとサウンドのために極性が逆相になっている点も特徴です。つまりプラスマイナスが逆。普通のスピーカーに電気信号が入ってスピーカーのコーン紙が前に出る部分で逆に動く。この逆相設定によって、正相の場合には音場の広がりを感じる場面で、音場感よりも明るく明瞭な前に出る初期のJBLサウンドの特徴が作られました。
現在のJBLは正相になっていますので、逆相で作られた時代のJBLサウンドを味わえるというのも、マニアの密やかな楽しみと言えます。
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初期のJBLのユニットのラインナップは、このD130、D131を中心に、高音用ドライバーとして、名器と言われる175DLH を使った本格的なホーンシステムか、砲弾型ホーンツイーターの草分けモデルである075 を組み合わせた2wayがベーシックでした。そして、このSansui monitor2130も、そんなベーシックな最初期のJBLサウンドを感じさせてくれる本当に私にとっては夢のようなモデルです。
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このモデルは、オプションとしてスーパーツイーター077で2wayにグレードアップされています。ネットワークの3105は、077のプロモデルバージョンである2405 と組み合わせるのが本来ですが、077でも特に問題はないでしょう。基本的に同一モデルですし、インピーダンスが2405は16Ωなので、8Ωの077の場合、音圧レベルが3dB高くなる筈ですからその分、ネットワークのアッテネーターで抑えればいいだけです。私はフェイズプラグがアクリル製で透明な077の方がプロ用でアルミ素材で出来ている2405よりも好きでした。どちらにしたって夢のようです。なにしろ2405といえば、あの有名なスタジオモニター・JBL4343にも使われているモデルですから!
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このモデルの魅力は、山水のほとんど手作りとも言えるエンクロージャーにもあります。素材を贅沢に使った、まるで自作キャビネットのような作りで、それでいて、フロントに組み合わされる天然檜材を用いているという手作りの七宝組子が素晴らしい!
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七宝組子は丸い円型の文様を少しずつ重ねて作られるもので、3500年前の古代エジプトでも使用されてきたという古い文様。 七宝とは仏教の言葉だそうで、円=縁がつながることに由来する吉祥文様だとか。古代から、幸せを願う文様として使われてきたものを家庭に置くというのもいいものだと思います。
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1974年に発売されたモデルとしては極めて状態の良いもので、とても嬉しいです。
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私は中学生の頃、自宅近くの電気店には、D131の兄弟機、D130を搭載したバックロードホーン(4530) に、075やLE175DLHを搭載したモデルが置いてあって、それをいつまでも飽きずに眺めていました。まさかあの大型バックロードホーンを家に入れるわけにはいかない(でも当時の山水のスピーカーラインナップにはこれと似た構成のSP-707J という家庭用モデルもありましたが、よほどスペースと予算に余裕のある人しか買えなかったと思います。)ので、このmonitor2130は、私にとっては手を出せる上限の「夢」とも言えます。とりあえず置いてみて鳴らした最初の印象は、非常にピアノがキレイに鳴るということです。バイオリンの高音もとてもキレイで鋭い。今までと異次元の聞こえ方がして今後の調整が楽しみです。
長く愛用したいと思っています。

2017.6.17 bjiman

2017.6.20補足追記
ネットワークのTweeterのレベル設定は、購入状態では写真にあるように「4」でセットされていましたが、聴感上高音がキツイ印象だったので、レベルをあれこれいじってみて、とりあえず「3」の位置でバランスしていると感じます。
現在の悩みは、フロアに薄いジュータンマット一枚挟んでいるだけで直置きしているので、フローリングの床に低音が響くこと。まずはインシュレーターを試してみようかと物色中です。

by bjiman | 2017-06-21 00:57 | PCオーディオへの道 | Comments(2)

Think Global の先にあるもの ~TRIODE TRV-88SE

TRIODE(トライオード)の真空管式プリメインアンプ・TRV-88SEを愛用し始めてから8ヶ月になります。

TRIODE TRV-88SE (SIGMA DP3 Merrill)
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出力管のKT88はイギリスのGECがオリジナルで、真空管アンプの出力管としては非常にメジャーなものです。トライオードのエントリーモデルとしては、同じく代表的な出力管のEL34を用いたTRV-35SEがあり、音質の好みで選択できるようになっています。一般にKT88を用いたTRV-88SEはパワフルな音質でJAZZ・ROCK向きと言われますが、私もTRV-35SEとの比較であればそのように思います。自宅で8ヶ月鳴らしてみた感想(スピーカーはJBL・A822)では、ギターとピアノが非常に綺麗に鳴るという印象です。もちろん音質の良いCDであればボーカルはとてもリアルな表情があるように思います。音質の好みはあくまでも個人的なものだし、定性的なものに過ぎないのですが、考えてみるとギターアンプには今でも真空管が根強く愛されているのでギターと真空管アンプの相性が良いのも当然のように思います。
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いわゆるフィラメントに灯が点っている感じは真空管カバーを外してじっくり見れば感じられますが、普段それを見入ることはありません。熱の暖かな感じと音のリアル感ある表情。真空管アンプの魅力は、そんなところで十分感じられると思います。
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私はそんなに思いの深いマニアではありませんが、オーディオは中学時代からのファンなので、まぁ好きな方だと思います。中学や高校時代は、高価なオーディオ機器はもちろん買えませんから自分で工夫するしかありませんでした。高校時代愛用していたアンプも自作で、、、自作と言ってもパワーアンプIC(ビクターのスーパーA回路がセットされた珍しいものでした。)を買って、添付の設計図例に書かれた規格のトランスやコンデンサー、ICをセットするヒートシンク、全体がレイアウトできそうなケース、その他スイッチ類などのパーツを別に揃えて、後は設計図例のとおりにハンダしながら配線するだけ、というものでしたが、配線すればちゃんと音が出たし、電源系はこだわって好きなタンゴのトランスや高品質なコンデンサーにしたり、電源用に付けた簡単なLEDも点灯してくれたので、それなりに楽しめました。その時にひとつだけアレンジしたのがボリュームを付けたことだったのですが、これは定格が合わなかったらしく動作しなかったので結局レイアウトしただけで配線を外して元通りのパワーアンプとして使い、テープデッキのラインを通してプリアンプ変わりに使うという変則的なシステムにしていました。(パワーアンプICは今でも普通に入手できるのでご興味のある方はご参考になさって下さい。)
何でこんな昔話をしたかというと、このTRV-88SEは、インプットセレクターとボリュームを付けただけのパワーアンプといった体裁で、自分が昔使っていたものと似ているなあと変に感心したからです。この会社はキット製品も出しているし、良い意味でアマチュアリズムを持ったところがあるなぁと思います。
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トライオードの真空管は基本的に全て中国製で、一部の高級グレードを除けば、湖南省の曙光電子というメーカーに製造委託をしているOEM品です。曙光電子は韓国LG傘下の会社だそうですが、トライオード用の真空管は日本向けのOEMといってもカタログによると月産2000本以上も使用しているとのことなので、それほど数が出るなら曙光電子にとっても十分ビジネスになるでしょう。補修用のKT88もトライオードから1本8,000円で供給されるので安心感があります。トライオードの製品は中国で製造されていることや、真空管もこのように独自に確保していることもあって製品価格が十分リーズナブルですが、こうした製造方法は、単にグローバルなビジネスというだけではなく、グローバル化の利点を活かしながら消費者ニーズに合ったものを実現するという現代的な方法でもあるとも思います。
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 トライオードは1994年創業の若いオーディオ機器専業メーカーですが、すでに創業以来20年を経過したということでもあります。企業の寿命は30年と以前から言われますし、これからの10年をトライオードがどう展開していくかは分かりません。しかし、トライオードのようなビジネスが厳しい20年を超えてきたということは評価に値すると思います。
 私が中学・高校時代を過ごした70年代から80年代は、オーディオが全盛で多くのメーカーが製品を供給していましたが、それから20年経ってオーディオブームがすっかり消失した2000年にかけて多くのオーディオメーカーが消滅ないし撤退しました。サンスイやAKAI、ナカミチなど素晴らしい製品を出していたメーカーでも事業を継続できなかったこの時代の中、どこの有識者が1994年にオーディオメーカーを創業して成功できると明言できたでしょうか。トライオードの20年の歩みは、ビジネスの可能性を開くシーズは、こんな環境の中でも見つけることができるという一つの証拠でもあるように思います。トライオードの製品は、グローバル経済のメリットを活かしてはいますが、それだけでは語れません。1社で中国に渡って真空管などという過去のデバイスを現代的なサウンドに活かせるクオリティに仕上げるように発注し、それを使って日本のオーディオマニアが聴いても、「まぁいいんじゃない」というレベルまで持ってくることはとても大変なことだったでしょう。それだけではなく、製品の企画の仕方がシンプルで、アマチュアリズムを持ったものになっている。私のような昔工作をしていたファンが、「あぁやったやった」という共感を持つものになっている。売れる商品というのはこういうものか、と思わされます。オーディオ製品の可能性は、まだまだあったのです。

Triode TRV-88SE/SIGMA DP2 Merrill
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 弘兼憲史さんが、コミックの「社長・島耕作」シリーズで2008年に社長に就任した「島耕作」に言わせたスローガンは、「シンクグローバル」でした。グローバル社会の中で世界が急速に小さくなり、世界の多くの国でディファクトスタンダードになることが殊更に重視され、携帯電話が「ガラケー」と言われ出したり揶揄されるようになりました。私は、NECのモバイルギアの記事でも少し触れたのですが、その言葉に違和感を持っていました。
 私がオーディオファンになった70年代、日本のオーディオメーカーが作る製品の多くは欧米のメーカーの香りがするものが多かったと思います。マランツやマッキントッシュのようなアンプ、JBLやALTECのようなスピーカー、スチューダーやアンペックスのようなテープデッキ、、、例はいくらでもあるでしょう。当時の輸入品は1ドル360円の時代で非常に高価でしたから、JBL風、ALTEC風でも良かったし、JBLやALTECは高価だったので国産品の「~風」を買うしかなかったのです。(私はスピーカーの設計に熱中していたので、FOSTEXやCORALのスピーカーユニットが大好きでした。)
 国産の電気メーカーというのはその需要の多くが国内消費で賄われていました。昔のオーディオファンはそういうことを知っていたから、急に欧米の製品を買えるようになったからと言って、「国産品は遅れている」なんていう議論をしなかったと思います。むしろ、物まねから学習してサンスイのアンプやTEACのテープデッキ、デンオンのターンテーブルなど非常に優れた製品が生み出された技術を高く評価したと思います。

〈私が愛用した歴代NECモバイル端末〉
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 社長・島耕作シリーズも終わって2016年の現在、製造業の多くはグローバル社会に対応して、製品にも多様な国のアイディアが活かされたものが出てくるようになってきました。トライオードのアンプもそうでしょうし、私が愛用するシグマのカメラも典型例のひとつだと思います。
 SIGMAカメラの特徴はRGBを縦配列で取り出す3層構造のイメージセンサーですが、これを考え出したのはカリフォルニア工科大学のカーバ・ミード教授が率いるチームの研究で、それをベンチャー企業の「Foveon社」にして、高性能なカメラ用のイメージセンサー開発プロジェクトとして売る、こういった方法がシリコンバレーのビジネスですが、まだ海のものとも山のものともつかぬアイディア段階の構想で企業の命運を賭けた投資をすると決めたシグマの先代社長の決断もまた、なかなか出来る事ではないと思っています。今の社長もDPシリーズの成功やFoveon社の子会社化を通じて、Foveon=SIGMAというイメージを確立したことは素晴らしいと思っています。そしてその製品群は、すべて福島県会津工場製で、MADE IN AIZU というブランド価値を創造しようとしています。

〈SIGMA DP 0 Quattoro〉 DP1 Merrill
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 シグマの山木社長の講演によると、この5年間で交換レンズ市場は3割も縮小したそうです。シグマがもし、かつてのように純正品よりもちょっと安い廉価なレンズメーカーという地位のままだったら、この市場の縮小は致命的なものになっていたと思います。というより今でも致命的なものなのだそうです。それでもシグマが歩み出していけるとすれば、こうした独創的で、高画質というイメージをFoveonを通じて獲得できたからでしょう。そのイメージを実現する製品を安定的に供給し続けることには多くの課題とあるとしても。
  (SIGMA DP1Quattoro/DP1 Merrill)
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 私は、Think Global の先にあるものは、「多様な価値観に対する評価」=多様性だと思っています。
 多様性とともに歩む=With Diversity なこと。これからを解釈していくのは、こういったしなやかな価値観ではないかと思っています。
 新聞などのメディアは、企業が買収されたり業績が不振になったりすると、日本対世界という構図でしかこれを論評することができない面が多く見られます。遅れているとか、単純な対立構造を煽ることは、レベルの低い議論にしかならないのではないかと思っています。
 よく、木を見て森を見ないということをいいますが、単純なメディアの議論を見ていると、遅れているとか、世界のディファクトスタンダードといった森ばかり見ていて、優れた技術が伸びていくシーズとなる木を見ていない。つまりエンドユーザーである消費者を見ていない議論だと思う事が良くあります。
 山木社長は、交換レンズ市場の縮小は、企業が、消費者が求める製品を提供できていないからだと分析しているとお話されていました。どんなに高性能なカメラでも、どんなに高性能なレンズでも、重ければ嫌だと思うカメラユーザーは私をはじめ多くいます。
 一眼レフのSD1を一気にディスコンにして、ミラーレスのSD-Quattroにする。こういうしなやかで、過去にとらわれすぎずに多様な価値観に素早く対応できることが、Global社会の先にあるものだと私は思います。
 Think Global の先にあるもの、私はそんなテーマでこれからも考えていきたいそんな風に思っています。

2016.3.5 bjiman
SIGMA DP1 Merrill
SIGMA DP2 Merrill
SIGMA DP3 Merrill

by bjiman | 2016-03-06 05:00 | PCオーディオへの道 | Comments(0)

TRIODE(トライオード) TRV-88SE 導入 ~真空管アンプを中心に「old fashioned &contemporary」なオーディオシステムの構築~

15年ぶりにオーディオシステムの核であるアンプとCDプレーヤーを更新しました。

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TRIODE TRV-88SEは、自社発注のKT88をプッシュプルで使うAB級アンプ。
ビーム管の出力管として代表格のKT88は、何と言っても一聴して分かる豪快なサウンドが特徴。中低音の鳴りが大きくて分かりやすく真空管アンプの魅力を伝えてくれます。

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真空管アンプにしたのは、ある時、リサイクルショップで、あまりに良いボーカルの音が鳴っているのが耳に入り、「どんなシステム?」と思い良く見てみたら二度ビックリ。スピーカーが私が使っている JBL Veccio A822 の兄弟機である A622だったから。A622は、私のA822と高音ユニットは共通で、低音ユニットが一回り小さい弟分なのに、実に朗々とした鳴りっぷり。ボーカルが生音のような瑞々しさ。CDがDENONのDCD1650で、これまた私の使用機と同じだったので、うーん、これは違いはアンプだ、というのが一聴して分かりました。私のA822はもう15年も使っているのでボチボチ別のスピーカーを、、、とも思っていたのですが、これでは変えられません。

(私のスピーカー、JBL Veccio A822 20cm2way)
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そのアンプは、LUXMAN SQ-38FD。ラックスマンの真空管プリメインアンプを代表するヒットモデルです。しかし、数十年前の中古機を10万円以上も出して買うのはリスクが高すぎるということで、同じような音が出る代替機を探し始めました。当然ラックスマンの現行モデルから検討するのが筋ですが、現行モデルのLX32uは価格が高い上に、出力管がEL34でSQ38とは異なります。専門店で相談してみても、英国系スピーカーと組み合わせて上品な音を狙った方が良いようで、私の嗜好とちょっと違いそうということでこれは避け、TRIODE(トライオード)を選ぶことにしました。TRIODEは、その名前「TRIODE(トライオード)=3極管」からも分かるとおり、真空管アンプの魅力を廉価で提供しようということに取り組んでいる最近の会社です。真空管も自社発注のもので揃えており、メインテナンスの点でも心配なさそうです。TRIODEの製品はどれも比較的廉価ですが、特に入門用というと、EL34使用のTRV-35SEとKT88使用のTRV-88SEに絞られます。もともとTRV35の方が先にあり、その回路を基本に出力管をKT88に変えたものがTRV-88SEということなので、出力管の音の違いで好みが分かれ、私の場合は両モデルを一聴してすぐに音が大きく、ボーカルの生々しいTRV-88SEに決まりました。
TRV-88SEは、プリメインアンプとはいっても、実際にはインプットセレクターとボリュームがついただけのパワーアンプといった構成なので、操作は簡単。配線もインプット3系統と、録音用のREC-OUTだけなのでシンプルです。
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今回は、CDプレーヤーも更新。CDレコーダーのTASCAM CD-RW900MkⅡにしました。
こちらは、CDレコーダーの機種自体がほとんど比較選択不可能な状態なので、必要な機能と価格を考えてすぐに決まりました。私は、以前まではMDデッキのSONY MDS-JB930をもう16年くらい愛用してきましたがMD規格が市場から消えた後のレコーダーがどうなるのか見通せずにいました。一時期はハードディスクレコーダーになるのかとも思いましたが、「録音機」というものがあまり使われなくなった今、決定的なものはないようです。そこで、メディアの流通量から考えて、もっとも今後長く使えそうなCDレコーダーを選択することにしました。CDレコーダーはメディアや著作権の問題で一般的になることはありませんでしたが、私は、気軽に80分程度の録音をするなら、現状ではCDレコーダーが扱いやすいと感じます。メモリーレコーダなどもありますが、メモリーにファイルで残すという方法よりもCDメディアに記録する方が、家庭で楽しむ、クルマで楽しむという使い方を考えると好適なように思えます。
SONYのMDデッキが動く内に、潤沢にあるMD資源のCD化をしておきたいとも思っています。
TASCAMのCDレコーダーは業務用として長い歴史があり、本機も業務用モデルとしてスタジオや結婚式場などで使われているのでしょうから、信頼性の心配はないでしょう。業務用なのでラックマウント付きで、パネルもブラック一色。操作ボタンなどもどちらかといえば愛想のないいかにも業務用という感じですが、私はもともと高校時代は放送部なので、こういう業務用的な機械は大好きです。MDとはオプティカルでダイレクトにつないでありますが、TRIODEからのREC-OUTも使用できるよう配線してあります。どちらがいいかは使ってみて決めます。
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新しい管球アンプにつなぐソースは3種類。上記のCD-Rと、パソコンからのDAコンバータ(ONKYO WAVIO SE-33UGXV)経由のPCオーディオ。ユーチューブや、インターネットラジオなどはこちらから。
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後はウォークマンからのライン出力。これは近々、ハイレゾタイプに挑戦してみるつもり。
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最近は、オーディオの他にも、懐かしのBCLラジオで深夜ラジオなども楽しむことも加わりました。昔のラジオの音って、箱がしっかりしているから何とも中音が豊かで思った以上によい音を聴かせてくれます。
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そんな真空管アンプ、CDレコーダー、PCオーディオ、BCLラジオといった、old fashioned &contemporary なちょっと変わったオーディオライフが始まりました。

TRIODE TRV-88SE については、Think Globalの先にあるものというタイトルで続編を書きました。良かったらご覧いただければ嬉しいです。

by bjiman | 2015-07-28 02:01 | PCオーディオへの道 | Comments(0)

COUGAR No6 National Panasonic RF-855

クラウン特集は今回だけお休み。実は、BCLラジオ・クーガNo6 を買いました。

〈COUGAR No6(National Panasonic RF-855)〉 (SIGMA DP2 Merrill,30mmF2.8,F6.3,1.3秒,ISO100)
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私が小学生時代、BCLブームというのがありました。「ラジオ・オーストラリア」や、「RAEアルゼンチン国営放送」などの短波海外放送局の受信にチャレンジして、受信できたら受信報告書を送り、ベリカードという受信確認のカードをもらうという趣味で、私もずいぶん凝っていました。
当時、ラジオの人気機種といえば、ナショナル・クーガ2200やソニー・スカイセンサー5900などが定番でしたが、私が凝り始めた頃は、まだクーガは1500、スカイセンサーは5800の頃でした。当時、小学生にはこれらのラジオは高嶺の花で、私も毎日のように地元の電気屋さんに行ってラジオを眺めていました。
そんなとき、いつも気になってみていたのは、高価なクーガ1500やスカイセンサー5800ではなく、並んでいたラジオの中でいちばんお手頃価格だったTRY-X1500やCOUGAR No6のような廉価モデルでした。これらのモデルは、上級機種のようなマルチバンドではなく、短波(SW)帯も3.8MHz~12MHzしかなく、外部アンテナ端子もついていないようなものでしたが、ちょっと背を伸ばせば手が届くような気がしてこういうラジオが欲しい!と思って見つめていたものです。特にナショナルのクーガは、AM放送用のジャイロアンテナが格好いいと思って憧れていました。
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結局、当時はねだってねだって後になってから、東芝のTRY-X2000を買ってもらい、中学生時代まで愛用しました。
でも、大人になってもかつての熱い時代が忘れられず、もう一度短波が聴きたいと思って、SONYの現代的なSWラジオを購入したりしたこともありました。現代の住宅密集地域では、高性能ラジオの高感度を持ってしても十分な受信ができず、結局、とってもいい音がする、ステレオ出力もMPX-OUTから取れるということで、我が家では高性能なFMチューナーとして活躍しています。
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それでもやっぱり、あの頃、胸を熱くしたモデルが欲しい、あの頃のカチッとしたツマミのついたモデルが欲しいという思いは絶ち難く、秋葉原の専門ショップなどを2、3年に一度は見ていました。
もう今更、クーガ2200などの高性能モデルはいらないんです。デザインの好みでいえばTRY-X1600やクーガ1300なども好きなのですがこれらは稀少でめったに出ませんし高価です。それならあの頃、これなら買ってもらえるかもと思った思い出の廉価モデルを手元に置いておきたいとの思いがありました。
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そんなことでとうとう買ってしまったクーガNo6。音が抜群に良いのが驚きでした。
ライトもかわいらしく点灯します。
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今、ラジオ深夜便を聞きながら、この記事を書いています。
このクーガNo6、リンクをいただいている「カメラ夢遊」さんのひそみに習えば、「想い出カメラ」ならぬ「想い出ラジオ」です。(夢遊さん勝手にごめんなさい。)
昭和49年発売とのこと。もう40年以上も前に作られたラジオなのに、平成27年の今夜も、アストラッド・ジルベルトさんのFly Me To The Moonをあの頃と同じように優しい歌声で聴かせてくれます。

fly me to the moon

by bjiman | 2015-07-22 01:53 | PCオーディオへの道 | Comments(4)

WALKMAN S765 ~PCオーディオへの道~

脱MD化計画としてはじめたPCオーディオへの取り組み。最初に、PC音源のアナログ化でONKYOのAD/DAコンバーターを導入し、次にWALKMANを導入して脱MD化を図りました。
今回は、WALKMANの追加導入。現行メモリーウォークマンの主力機種 Sシリーズの16GBモデル・WALKMAN S765を導入しました。 (SIGMA DP2x、以下すべて同じです。)
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最初に導入したWALKMAN ・A866が右の黒いタイプで、これはポップス用。今回導入した S765は金色で、これはクラシック用にと思い買ったものです。それぞれ純正の黒のケースを装着しています。
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A866には、愛聴のポップスたちを入れており、現在1955曲(アルバム200枚くらいかな)が入っています。容量は29GBのうち、現在15.3GBが空いているので14GB弱入れたことになります。ちょうど半分ぐらいです。
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CDはまだまだいっぱいあるし、もっと気軽に入れたい。加えて、愛聴のクラシック盤もまだたくさん入れたいという思いがあってWALKMANを追加することにしました。
という訳でクラシック専用に導入したのがS765
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私はヨハン・シュトラウスファミリーのワルツ・ポルカが好きなのでシュトラウスの全集やオペレッタ、ニューイヤーなどを中心によく聴くものを最初に入れました。
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あとはツマの好きなモーツァルトを何枚かと、ベートーベンの交響曲を何枚か、ウィーンフィルの名曲集、ヒーリングのものなどを中心にアルバム60枚弱を入れました。
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前回までのA866では、PCオーディオに取り組むのが初めてだったのでビットレートや圧縮方法を含めてATRAC、MP3色々試しましたが、音質と容量のバランスで最終的にMP3/256KBが多くなりました。今回はクラシックということで音質も考慮してCDのリッピングはちょっとあげてMP3/320KBで統一してみました。これまで740曲を入れてみたましたが、容量14.4GBのうち、空き容量が5.9GBという事なので8GB程度を使ったということになります。WAKLMANには8GBモデルもありますが、あと少し容量に余裕が残ったといういことで16GBはちょうど良い選択でした。
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ヘッドフォンはあまり使わないのですが、今回ちょっと試してみました。電車の車内でも雑音がよく抑えられ、小さな音でもよく細かい音を拾ってくれて十分楽しめました。
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容量違いの色違い。ツマのピンクのSと一緒に。
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WALKMANをライン入力で聴く場合、WALKMAN本体のDAコンバーターを使うことになるし、音質という面ではやはりPCドライブでONKYOのDAコンバーターを使った方が断然音は良いので、旧ノートのVISTA機・VAIO NW50がすっかり「オーディオ機器」として活躍するようになりました。プレーヤーはWAKMAN転送用のアプリ・Xアプリを使っています。特段高機能ではありませんが特段問題もなく、普通に使えます。
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やはり音質の決め手のひとつはDAコンバーター。高性能DA/ADコンバーター搭載のデジタルプロッセッサー・ONKYO WAVIO SE-U33GXVと音楽専用にしたハードディスクドライブ。
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これらにより我が家のオーディオ事情は一気に変わり、PC化されることになりました。従来あったCDのほとんどはちっちゃなHDDやWALKMANに入っちゃうし、再生のときはシャッフルやプレイモードを活用して朝のオススメとか今はソファラウンジモードで聴いていますが、データ転送したいろんなCDの曲をくまなくセレクトして紹介してくれるので、聴いている方もとても楽しいです。「あれ、この曲持っていたんだ!」と気づかされる事も多くて、既存音楽資源の再発見・効率的活用につながります。なによりCDケースからいちいち出さなくてもシャッフルでいろんなシーンで登場するので楽しくて仕方がない。加えてケースから出さなくても良いのでCDの棚も片付けなくても良い。まさにPCオーディオによる革命が起きたような、おおげさですがそんな気がしています。
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クラシックといえば私はシュトラウスファミリーが好きですが、シュトラウスファミリーの好きなところは純粋にウィーンっ子に向けた楽しいワルツ・ポルカで大衆音楽なところ。シュトラウスの時代のウィーンはダンス熱が最高潮だったそうでファミリーでやっていたのも、自身の楽団が演奏しにいくのと作曲するのでは多忙に過ぎるというところからだったそうですし、なにしろウィーンの人口が20万人の時に一晩で5万人が踊ったという記録があるそうです。シュトラウスの曲の中には、大学生の舞踏会のために書かれたもの(加速度円舞曲)もあるほどですから、いかにウィーンっ子たちがダンスに夢中だったかが想像できます。
反面、シュトラウスが好きになり、その歴史を知れば知るほど、これはヨーロッパの、ウィーンの文化なのであって、、、という点を非常に強く意識し、私自身の関心が日本文化に向かうきっかけになりました。
「オーストリア第2の国歌」と言われる「美しく青きドナウ」は、プロイセンとの戦争に負けて意気消沈していたウィーンっ子に向けてドナウ川の美しさを讃え、冬のドナウは灰色だが、春には美しい流れがよみがえるとして、未来に希望を与えようとする内容でした。そしてこれがウィーンっ子たちを勇気づけ、「第2の国歌」とも賞されて愛され続けていること。オペレッタ「こうもり」はとても楽しい大衆歌劇でシュトラウスの代表作のひとつですが、このオペレッタもオーストリアが不況で自殺などが多かった時代に、この明るくて、ユーモアに溢れた喜歌劇が大ヒットしたことで、停滞する空気を吹き飛ばすように広がったこと。ウィーン国立劇場はオペラは上演しても喜歌劇であるオペレッタは上演されないのに、シュトラウスの「こうもり」だけは例外として上演されるという伝統、、、いずれもウィーンの歴史と伝統に深くつながっており、どんなに親しんでも、これは外国の歴史のお話です。
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そのオペレッタ「こうもり」は、フランスの鬼才・オッフェンバックの天国と地獄に刺激を受けたものと言われていて、実際、シュトラウスはこのオペレッタがとても気に入っていたと言われています。いうまでもなく「天国と地獄」はギリシア神話のお話のひとつを取り上げたもので、本来は悲話のお話を結論を変えることで喜歌劇に仕立てているものですから、お話のもとになっているギリシア神話が前提になっていないとおかしさも半減してしまいます。ギリシアを旅行した事で偶然興味を持ったギリシア神話がこんなところでつながってとても不思議だと思いましたが、同時に、これはみんな欧州の歴史なのであって、知らないよりは知っていた方がいいだろうけれども、それよりも自分自身のことをもっと知る必要があるのではないか、、、そんな事を考えたのです。

、、、とはいえ、トシを重ねると賑やかなポップスやロックは疲れることも多いものです。美しく優美なシュトラウスのワルツが心を慰めてくれることも多く、この金色のウォークマン、大活躍しています。
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2012.9.17 SIGMA DP2x
by bjiman | 2012-09-17 02:29 | PCオーディオへの道 | Comments(2)