翻訳時代からの卒業~私のレクサス論(中編)~

「敵(彼)を知り己を知れば百戦殆うからず」との孫子の兵法は、
「彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」
と続くわけですが、レクサスを評論するなら、ドイツを初めとする欧州を知り、主戦場の米国を知り、そして己である我が国の立場を知らなければなりません。
レクサスGSを取り上げて、
「トヨタではない、レクサスを買うのならいちばん大きいLSではないのか」
「いちばん大きいわけでも、使いやすいサイズでもないGSがどこを目指しているかまったく分からない」
「このサイズでこの価格のクルマが、レクサスでなかったらどう評価するのか」
「(レクサスに乗っている人は)バッジにお金を払っているところがあるから」
なんて書いてある論評は、まさに「敵も知らず」「己(の立場)も分からない」、まさに戦う毎に「必ず危うい」という状況を招くものです。私がこの手のジャーナリズムに厳しく批判するのは、必ず危うい=我が国の為にならないというその一点に尽きます。

LEXUS GS (SIGMA DP1 Merrill)
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前回は、欧州のセグメント基準に沿ってレクサス・GSが欧州のEセグメントのライバルたちと同じ土俵で戦っているんだということを書きましたので、今回は視点を変えて、ではレクサスの主戦場である米国のEPA規格で見てみるとどうなるかという風に見てみたいと思います。
欧州のセグメント(EU委員会の示したA-Fセグメントを示した文書はこちら)は、単に全長によって区分するものですが、米国のEPA(環境保護庁)によるクルマのサイズ規格はとても合理的で、パッセンジャーとカーゴのスペースを立法フィートの計で区分します。空間の量で実際どのくらいあるのか、という視点です
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これでドイツのプレミアムセダンと我がレクサス・GSがどう違うのか、米国のEPA規格ならではの燃費データと併せてご覧下さい。
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これらのライバル達は、このEPA規格で比較してみても、Midsize Cars の110~119というわずか9立方フィートの範囲の中の、111~116とたった5立方フィートの差しかありません。ほとんど同じ空間の量を持っているんだ、ということが分かると思います。それぞれのメイクの差を探せば、BMWの5が空間はわずかですが広く設計されているということ、メルセデスのEクラスは意外にもこの方法ではキャビンもトランクもこの中ではいちばん狭いことが分かりますが、まぁほとんど同じと言ってもいいでしょう。違いがあるのが燃費。比較的似通ったスペックのグレード同士で見てみましたが、メルセデスとBMWの3literターボエンジンはそれぞれ優秀ではあるもののまるで意図したかのように、燃費データが23マイル/ガロンと全く同じ数値。アウディは同じ3リッターターボでもディーゼルなので30マイル/ガロンとこちらなら1ガロン辺り7マイル多く走れるということになります。我がレクサスは3.5リッター・ハイブリッドはやはり燃費が優秀。31マイル/ガロンとこのポイントでは最も優秀な値を出しました。これが我がレクサスのストロングポイントであることは言うまでもないことです。
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欧州のセグメントと米国のEPA規格でそれぞれレクサス・GSとはどんなクルマなのかを横軸で見てみました。
クルマジャーナリストの皆さんには、クルマの批評を横軸、縦軸、時間軸を駆使しながら、敵を知り、己を知れば百戦危うからずという風になるように見てもらいたいものです。
次回に続きます。

by bjiman | 2016-10-14 06:00 | CAR | Comments(0)
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