お気軽に、縞大島 ~男着物・3年目の着物道楽 その7~

 大島紬は男着物の基本中の基本。私は結城紬の杢が最も好きですが、「最初の1着は?」と聞かれて藍色の大島・亀甲柄ということに何ら躊躇はありません。そんな大島ですが、前回もご紹介したように着物全面に亀甲柄を絣で入れる本物の大島はどうやってもある程度高価にならざるを得ません。私も100亀甲の大島はリサイクルで揃えました。いわゆる「大島」は奄美大島で織られる手織りで、シャリンバイの天然染料で染めた糸を泥染めで反応させて独特の黒を表現する先染めによって作った糸を絣糸にして柄を表現するものがベーシック。一方、鹿児島県本土で織られる手織りのものと機械織りのもののうち、機械織りで、絣糸による柄合わせの工程を伴わない無地や簡易な柄の「縞大島」(しまおおしま)は、大島の魅力を手軽に味わえるものとして欠かせません。

〈縞大島の反物〉SIGMA DP2x
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 縞大島は大島の重要な要素である絣糸による柄合わせを行っていないので「伝統的工芸品」の範囲には入りません。染料も化学染料だと思います。でも、大島のもうひとつの要素である平織りのシャリ感のある大島ならではのタッチはこの縞大島でも味わえます。なにより縞大島の反物はとっても入手しやすい価格です。このことはとても大事なことです。私が呉服業界に対してもっとも違和感のあることは、同じ50万円を得るにも、呉服業界は往々にして10万円の反物を5本売るのではなく、50万円の反物を1本売ろうとすることです。その方が近道ではあるでしょうし、職人の技術を保つにも本当はそれが必要なのかもしれません。しかし、初めて着物を買いに来たお客さんに、30万円の着物を売ってしまえば他にも襦袢やら履き物やら揃えたらお金がいくらあっても足りませんので着物が嫌になってしまいます。その意味で、とっても手軽に数万円でいつでも反物が買える縞大島のような作り方はとても大事だと思います。
 その縞大島にしても、呉服店の店頭では本来であればもっと廉価に販売できるものでも「上代10万円」などと表示されていたりするので嫌になってしまいます。(もちろんその価格に合ったものもあるのだとは思いますが。)「上代10万円のところを3万円、お得ですよ」と売るのではなく、結局3万円とかで売るものなのであれば最初から3万円で売って利益が出るような流通機構にしていくことが大事だろうと思っています。私がこの縞大島を購入した鹿児島県のお店は、自ら発注もする卸問屋的な性格もあって、呉服業界では珍しく最初から3万円なものは3万円、6万円なものは6万円として売る真っ当な感じがするところでした。
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 ところで大島の場合、羽織と長着をひとつの長い反物(疋物といいます)で揃えるアンサンブル(お対)で仕立てるのが普通です。でも縞大島の場合はもっと自由に考えていいと思い、私は着物を羽織りを別にすることにしました。鹿児島県の縞大島を購入したお店の店長さんはとっても気さくな方で、私のこうした失礼な質問にも、「昔はお対と言われたけど、今はもっと自由に考えていいんですよ」と仰って下さってことにも勇気づけられ、羽織は別の機会にデパートのB反市で売られていた米沢織の反物を購入して仕立てたのです。

〈米沢つむぎ 中村工房さんの「瑞雲」〉 SIGMA DP1 Merrill
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 こうして別々に仕立てることは、大島としては例外で、大島らしい着方でもありません。オススメということでもありませんが、私にとっては着物道楽の勉強になりました。この2つの組み合わせは、こんな感じです。
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鎌ヶ谷市の「とっこめ講座」の抽選で当たった入場券で競馬観戦。
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銀座の懐石料理・「川端」で
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 そんな縞大島の魅力も、たくさんの方に知って欲しいなぁと思います。

2016.1.6 bjiman
SIGMA DP2x
SIGMA DP1Merrill
SONY RX100

by bjiman | 2016-01-07 01:58 | 和装・着物生活・伝統的工芸品 | Comments(0)
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