トヨタ・クラウン60周年記念展に思う~日本人の誇りを載せて⑥~

クラウン特集も6回目。今回は、2000年以降の最近のモデルを取り上げます。

12代目 'ZERO CROWN' (GSR180系・2003年~) SIGMA DP1 Merrill
 12代目、ゼロクラウンことGSR180系のクラウンは、スタイルの面でそれまでのモデルからずいぶん変化した、「現代的な様式」になったモデルです。
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特にフロントまわりは、単に角張ったとか流線型で柔らかでというものではなく、立体的なダイナミックさ、躍動感を感じさせるものになっていて、それまでの静かな威厳さを感じさせる印象から変化した印象があります。一言でいえば「静から動へ」という感じでしょうか。
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グッとモダンになったヘッドライトまわり。
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リアピラーは穏やかで風をすっと後方へ流し去る空力の良さを感じさせながら、おなじみの位置にあるクラウン伝統のエンブレムをきれいに配置し、あぁクラウンだなという印象を与えます。
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内装も、豪華さだけではなくて丁寧な設えを感じさせるようになってステッチなどもずいぶん上手な雰囲気で入るようになりました。

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全長4,840mm×1,780mmと11代目より全幅をさらに+15mmしたこのスタイルは、前後オーバーハングを詰めたこともあって適度なワイド感があります。先代の頃は、同クラスの私も好きだったオペル・オメガと同程度のディメンションでしたが、この頃から目立って肥大化する傾向の出てきた欧州車と比べて再びスリムさが数字に出てきました。この時代、例えばメルセデスのEクラス(W211型)は、全長4,820mm×全幅1,820mmと先代から+20mmされています。クラウンは、再び日本独特のディメンションになり始めた頃です。この時代以降、欧州車は競争激化によるクラス構成の変化が出てきて、特にDセグメントとEセグメントの統合・再編により、Dセグメント車が大型化する要因になりました。私の好きだったオペル・オメガは2002年に販売中止となって、同時にオペルはEセグメントから撤退しました。プジョーはこの時代に生産していた607がEセグメントとしては現状では最後で、Dセグメントの407と統合し、2011年に508に整理をしています。このため、508は、全長4,800mm×全幅1,860mmとDセグメント車としては大きすぎるサイズになってしまいました。プジョーとシャシーを共用するシトロエンも同じ流れの中にあって、かつてはとても使いやすいサイズだったシトロエンのエクザンティアは、C5へ進化し、EセグメントのC6が生産中止になりクラスから撤退した状態になると一層C5が大型化、2007年に登場した現行型C5は、全長4,795mm×全幅1,860mm、回転半径は6.1mにもなり、これでは日本市場に合いません。結果的にC5は今年5月に日本市場からの撤退が発表され、国内販売のDセグメント車はCセグメント車のC4ベースのDS5だけになってしまいました。そのDS5も全幅は1,870mmもあり、回転半径は5.7mとEセグメントクラスのクラウンが国内用に1,800mm、回転半径を5.2mに抑えているのとは対照的に肥大しつづけています。この流れの中にあるのが、欧州車的なラインナップ構成をとるマツダ車のアテンザで、あの特異に欧州車的なディメンション(全長4,860mm×全幅1,840mm)は、DセグメントとEセグメントを統合する欧州車の流れに沿ったものです。クルマの使いやすさとは何なのか、自動車専門誌にはよく解説してもらいたいんです。あの白洲次郎氏は、ソアラの開発助言に当たって、回転半径がもっと小さくならないか、という指摘を出しています。こういう指摘に、今でもクラウンは寄り添っているという風に感じられます。
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13代目クラウン (GSR200系・2008年~)
 ゼロクラウンを一層磨いて洗練させたモデル。この代からハイブリッドが搭載されたことが特徴かと思います。
 デザインはゼロクラウンをリファインしたという感じで、一見見分けがつかないほど似ていますが、良く見ると、全長が伸びている関係からか、ゼロクラウンの方が量感があるふくよかなデザイン、このモデルの方がより日本的な、やや上下方向にやや薄い(つまり細長いというか)印象を与えるように思います。全幅は1,795mmに拡大されていますが、当時の6代目VWゴルフでさえ1,790mmだったことを考えると、既に日本独自のプロポーションといってもいいサイズ設定です。
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こうして流れで見ていくと、クラウンは、フロントフェイスの洗練・変化を大切にしているように感じます。
この13代目は、躍動感のあったゼロクラウンに比べて重厚感を付加したものになっているように思います。これでだいぶ印象が違いますね。
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ヘッドライトのディティールが、メルセデスやアウディなどの派手なデザイントレンドに遅れないようにアップデートされています。より、「走り」という雰囲気が出ていますね。
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それでいて、リアピラーを中心とした後ろ姿は、従来どおりの落ち着いた、上品なイメージを継承していくという風に見えます。非常に空気をきれいに流し去っていくという印象のスタイル。
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走りのアスリート・モデルも代を重ねて、すっかり定着してきました。むしろ、アスリートシリーズの方がメインになってきたように思いました。
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14代目クラウン (GSR210系、2012年~)MC前
 そして現行型クラウンです。(写真はMC前の限定モデル)
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現行型クラウンについては、私の「いつかはクラウン」特集をご参考いただければと思いますが、私にとっては初めて見積もりをとって試乗もして現実的に購入を検討したモデルですので、色々勉強したり感じたりしたことが多くありました。
今回、流れでクラウンを振り返って見たのも、最後の最後に、私なりのクラウンに対するメッセージとともに、飽きない自動車メディアの偏向的な姿勢を批判して終わりたかったということもあります。そんな時、偶然、お台場のMEGAWEBでクラウン特別展があったのでこれだけの写真を撮ることができたことに感謝しています。
そんな思いも込めて、次回は、さらばクルマジャーナリズム特集のひとつとしてクラウンについて書いてみたいと思います。

2015.9.20 トヨタ MEGAWEBにて
SIGMA DP1 Merrill

by bjiman | 2015-10-22 05:00 | CAR | Comments(0)
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