トヨタ・センチュリーは、国産車随一のメーカー製リムジンです。
〈TOYOTA CENTURY〉 @お台場 SIGMA DP1 Merrill センチュリーは、V12・5,000ccもの巨大なエンジンを搭載して、静々とキレイに走るように作られた高級リムジン。私が書くまでもありませんが、トヨタにはレクサスがあって、最高級のLS600hLは1,595万円もして、センチュリーの1,253万円よりも高額な訳ですが、「別格感」はこちらの方が上です。レクサス・LSは、トップの乗る車というイメージがあります。働く人のものなんですね。だから、内装も丈夫なレザーシートなんです。でも、センチュリーは違います。お好みならレザーも選べますが、基本は、このウールファブリック。リムジンは、ドライバーズシートにレザーを使うことはあっても、それはショーファー(運転手)さんの仕事場だからで、オーナーの居場所である後部座席は、滑るレザーではなくて、肌にしっとりと馴染むウールなどのモケット、というのがクラシックスなのです。 まぁあえて第一線で使われるとすれば、国賓送迎とか、そう、ゆったりした時間の中で行われるパーティなどの送迎に使われるもの。 もうあくせく仕事をしなくてもいい人のためのもののように見えます。 ビジネスなどで現役の地位の高い方は、多忙です。分刻みのスケジュールに追われ、ゆっくりしている暇はないでしょう。 エコ指向の社会ですから、ハイブリッドでガソリンも食わない、そして丈夫なレザーシート。今はそういう用途向けにはレクサスがありますから、ビジネスカーとしてのレクサス・LSやGSがこうした高額車のかなりの部分を占めるようになって、今の社会でセンチュリーが似合うような高貴な人、というのも相当限られたものであるように思います。 私は、トヨタにとっての「高級車」というのは、このセンチュリーが最上級で、厳然としてあることがいいのだと思います。 現役のビジネスマンには、そのトップに、ビジネスマンズ・エクスプレスたる、レクサス・LSがあって、LSは例えアウトバーンに持ち込まれても、ライバルのドイツ車に伍して、ある意味ではライバルの顔面を蒼白にさせてでも、「日本車ここにあり」を示して戦っていかなければなりませんし、そう期待しています。 でも、「トヨタ」のクラウンは、私たち市民の日常の中で、高級なドライバーズカーとしてどこにでも走って行く。よく言われることですが、本当に私も思ったのですが法事の席にあっても全く違和感がないだけでなく、その場の雰囲気をまったく壊さない高級感があるというのはクラウンならではです。マジェスタもそういう系列にあるべきクルマです。マジェスタは、もちろん後部座席のウェイトが高いという点ではセンチュリーと同じなのですが、明らかにクラスも使われ方も違うものです。センチュリーで法事に行けるとすれば、それはかなり相当に地位が高くなければ嫌みになると思いますがマジェスタではそうではないでしょう。レクサスとも違います。マジェスタは、アウトバーンで200km超で走る必要はないけれども、日本の高速道路を100kmで走るときには、後部座席に乗る人も含めて、静々と、快適に過ごせなければなりません。クラウンのちょっといいモノ、クラウンを昇華させたもの、そういう性格付けがとてもちょうどいいな、そのことが、このセンチュリーを見ていると改めて思ったのです。 2016.8月補足 リオオリンピックの閉会式で2020年tokyoのプレゼンテーションビデオが流されましたが、登場する安倍首相のお乗りになっているクルマがセンチュリーでしたね。 こういう「日本」を代表するシーンにさりげなく映るクルマがセンチュリーだったというのも、なかなかのセレクションと思いました。 (下の動画で、1分17秒頃、センチュリーが登場。公用車らしくレザー仕様なのが印象的。ビジネス用途ということですね。) (ご愛読感謝追記:2016.10) 昨年の8月にアップした記事であるにも関わらず未だに多くの方にお読みいただいていることに本当にありがたいと思っています。 そこでご愛読感謝という訳でもないのですが、写真が少なかったので追加で写真を撮ってきました。 お台場のトヨタ・メガウェーブでのセンチュリー。風格があり、これこそ、日本を代表するクルマというオーラがあります。 (SIGMA sd Quattro+SIGMA A18-35mmF1.8DC) 特に今回思ったのが「鸞鳳(らんぽう)グロリアスグレーメタリック」というこの濃銀の塗装の美しさでした。銀という渋い色を使いながら、光の具合によって、少し青みがかっても見えます。青は若々しさを感じさせますし、黒みたいに威厳を表そうとするよりも、青みがかった銀は「大人の余裕の甘い雰囲気」をまとっているように思いました。威厳の中にも優しさを感じさせるような。 以前は知事公用車などに用いられることも多かったセンチュリーですが、最近はそういう役職者のプレステージを表す表現が日産のエルグランドやトヨタのアルヴェル(アルファード&ヴェルファイア)のようなものに変わってきた今日、その背景を考えると、結局センチュリーのような立場のクルマがポジションに合わなくなったということがあるかと思います。もし日本が欧州のような階級社会だったとすれば、ロールスやベントリィのような貴族の乗るものとジャグゥアのような貴族ではない者が乗ることができるトップのクルマという区分けが厳然とあることになり、センチュリーは貴族の乗るもの=普段は汗水流して働く階層の者ではない者の乗るクルマというキャラクターが自ずと出てきます。センチュリーからプレミアムワンボックスに変えるような判断は、知事職にある者が、センチュリーに乗るような層の方ではなくなっているという事の裏返しのように思います。 戦前には我が国にも貴族ともいうべき華族制度がありましたから、戦後になってもそういう家庭で育った人がまだ多く残っていました。私の尊敬する白洲次郎さんの奥さんの白洲正子さんのご実家は華族の樺山伯爵家で、正子さんの父・樺山愛輔氏と白洲次郎さんの父は共にドイツ・ボン大学で学んだ学友でもありました。でも、白洲家は貴族ではないので、白洲次郎さんが正子さんと結婚するという報告を聞いた時、父の白洲文平さんは、「カービー(文平さんは学友時代から樺山氏をカービーと呼んでいた)の娘なんかもらって大丈夫か?」と仰ったというところに身分の違いを感じます。)。 ベントリィを愛用した白洲次郎さんは「一般の人が乗っていいのはジャグゥアまでなんだ」とお話しされてたそうですが、英国のケンブリッジで貴族の級友たちの中で青春を送った彼のような階層の者でないと、センチュリーは捉えきれないものだと私は思っています。 だからといって、トヨタの最高級車がセンチュリーであることは厳然とした事実です。 クルマジャーナリズムは、こういったクルマの醸し出す車格感の高さ故、トヨタの最高級車はマジェスタなんだからとセンチュリーを脇に置いて議論しますが、とんでもない。センチュリーは、レクサス・LSよりも車格で言ったら上です。最高級車、本当の高級車は高額所得者が乗る物ではなくて高級なレベルの者が乗る車というものなんだと私は思います。 そこを分からないと、レクサスについても誤解するばっかりになってしまいます。レクサスについては別項で触れますが、あくまでもこれはグローバルスタンダード=実質的な=である欧州車の価値観によって構成されているラインで、センチュリーとは見ている世界が違います。 ずっとシトロエンに乗ってきた私から見ると、やっぱりレクサスには欧州車的な価値観を感じ、それも好意的に受け止めます。 ずっと欧州がお手本だ、優秀なのは欧州車だと言ってきた自動車ジャーナリズムを勉強してきた私には、成長するに連れて、いったいいつまで割高なプレミアを払って欧州ご三家を崇め続けなければならないのかとの思いがありました。その意味ではレクサスは欧州車の伝統が生み出したモノとも言えるしそれとセンチュリーとは世界観が違うということかと思います。 センチュリーが大好きですが、欲しいとはなかなかいえないですが、、、 以上補足を終わります。 2016.10.5 センチュリーが新型になりましたね。今度の新型も期待できそうです!!
by bjiman
| 2016-10-06 06:00
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