長襦袢のぜいたく ~男着物・初心者事始め(3)~

着物初心者でも、着物を着たいと思う気持ちがあれば長着(着物)や羽織には何とか「こんな着物がいい」とかイメージがあると思うのですが、何とも想像しにくいのが長襦袢などの襦袢類ではないかと思います。
かくいう私は、襦袢というと女性のものという感じがあって、男性用の襦袢のイメージがありませんでした。実際、着物初心者になってみると、男性用の襦袢類は女性のものとは全然違うものということが分かります。

(1) 長襦袢
    着物の下に着るのもうひとつの着物が長襦袢です。
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    男性の長襦袢は柄があったり、それ自体が一種の着物のようになっていて、江戸時代は、飲み屋さんなどでは着物が汚れないよう、長襦袢からお店の用意したものに着替えてということがあったとか。現代でいえば旅館で旅館の用意した浴衣・羽織に着替えるようなものでしょうか。ぜいたく禁止令が出ていた江戸時代、着物の下の長襦袢に贅沢するという江戸っ子の粋でもあったようです。そんな長襦袢、柄もいろいろで、羽裏の額裏に使うような富士山や昇り龍を背中に描いたものもあれば、私の長襦袢のように鳥獣戯画を描いたものもあります。
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鳥獣戯画は、動物などを擬人化して描いた日本最古の漫画と言われるもので、平安時代末期から鎌倉時代にかけて僧侶などによって描かれてきたと考えられているもの。本物は京都・高山寺に現存しています。私はこのユーモラスな動物たちが好きで、この長襦袢をとても気に入っています。
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正絹で仕立てられる長襦袢は着物より薄い仕立てもあってしなやかで、カラダに滑らかに寄り添う感覚。絹が肌を滑る感覚を直に感じられる部分でもあります。長襦袢の正絹生地もそこそこのお値段なので、そこから仕立てれば加えて仕立て代もかかるということで何とも贅沢な下着ということにはなるので、ポリエステルやモスリンなどの生地や仕立て上がりの既製品などもあります。正絹は自宅では洗濯ができないので、実用を考えるとポリの仕立て上がりのものも必要になると思いますが、ぜひ1着は、正絹・誂えの長襦袢を作り、その極上のしなやかな着心地を体験して欲しいとも思います。実際、長襦袢は袖口から長襦袢の角袖がすぐに覗いてしまい、かなり目立つ部分です。下手なものは着用できません。
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長襦袢には大切な役割があります。襟に付けられる生地、「半襟」(グレーの部分)です。
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半襟は着物に肌が直に触れることを防ぎ、汗から着物を守るほか、着物の色柄とのアクセントにもなって全体の印象を左右する大切な部分。半襟はそれ自体の生地が売られていて、本来は着用の度に長襦袢から取りはずして洗濯し、また着用する際に着物との色合いなどのバランスを考慮してその日にあったものを着る前に縫い付けるということを繰り返すものです。
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このため半襟は簡単なしつけ糸で容易に取り外せるように縫われています。
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(2) 肌襦袢
   長襦袢の下に着るのが肌襦袢。下着です。
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ガーゼのような生地で肌によく馴染み、しなやかに肌に触れます。
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  私は肌襦袢というのはもうまったく知りませんでした。浴衣を着始めた頃、肌着を着ないとやはり寒いかなと呉服店で買い求めたのが最初。今は2着もっています。こういうのはどこで作っているのかなと見てみたらこれは京都製でした。
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(3) 半襦袢
   夏、暑い時期に着物の下に長襦袢を重ね着するのはできないですよね。そんなとき、着物の下に着るのが半襦袢。長襦袢のように角袖と半襟がついているのだけど本体は肌襦袢のようにガーゼ生地になっているという長襦袢と肌襦袢のいいとこ取りをしたようなものです。
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半襟と角袖がついています。
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長襦袢とか半襦袢とか、こういう着物以外の脇役というのも一気に揃えるとお金と時間がかかるものです。少しずつ、少しずつ楽しみながら揃えるものですね。

2013.1.7
SONY Cyber-shot RX100
(肌襦袢はSIGMA SD1 Merrill+17-50mmF2.8)

※長襦袢の記事は、男の長襦袢あれこれ~男着物・3年目の着物道楽 その14~もご参照いただけると幸いです。

by bjiman | 2013-01-08 01:48 | 和装・着物生活・伝統的工芸品 | Comments(0)
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